粟井英朗環境財団|活動状況について

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活動状況について

クリーンフットパスを実施しました

去る11月27日、今年度第6回目となるクリーンフットパスを実施しました。

今回は「明見湖コース」と称し、明見湖公園を起点とした約2㎞の距離を散策しながら清掃活動を行いました。

地域の歴史文化に精通し明見湖の環境保全活動も行っている勝俣源一氏を講師に招き、要所要所にて説明をいただきました。

 

集合場所となった明見湖は通称「はす池」と呼ばれ、名のとおり夏にはハスの花が一面に咲き誇ることで有名です。

明見湖公園の指定管理を富士吉田市から委託されている会メンバーより明見湖の成り立ちについて説明いただいた後フットパスをスタート。

 

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明見湖から程ない場所に位置する金毘羅神社(徐福雨乞地蔵祠)に立ち寄りました。建物の中にはお地蔵様が祀られ、建物の脇には不老長寿の妙薬を求め中国から日本に渡ったと言われている徐福の像が設置されています。

当該地域は日本の徐福三大伝説地として、様々な伝説が言い伝えられています。

 

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向原小明見浅間神社前を通過し、桂川方面に向かいます。

途中、富士登拝のための道標などを解説いただきながら桂川にかかる新焼橋に到着。

焼橋、新焼橋がかかるこのエリアはかつて甲斐と北条との戦場だったそうで、甲斐軍が橋を焼いて敵の進軍を防いだことから「焼橋」と名付けられたとのことです。

 

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かつての富士登拝のための道、富士みちを登ります。

 

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西方寺に立ち寄り解説をいただきました。

明治期に勝海舟や大隈重信などの政府要人が足を運んだこと、第二次大戦の戦火を逃れるために東京の増上寺からご本尊を預かったお話などを伺いました。

 

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明見湖に戻り、湖を囲う外壁に設置された記念切手碑の前でお話を伺います。

今年の6月に亡くなられた中川雄三氏が撮影した、明見湖のハスに留まるカワセミの写真、通称「ハスカワ」が記念切手となったことが碑に記載されています。この写真は日本で初めて切手になったカワセミの写真だそうです。

 

中川氏は山口県の生まれですが、縁があった富士吉田市に移り住み40年以上富士山麓の野生動物の調査や記録写真を撮り続けてくださいました。特に明見湖は中川氏の主フィールドとして、明見湖関連の本を3冊も出版されています。

財団の環境プログラムの講師としても何度もご協力くださったり、その他多くの助言や支援をいただいたことに改めて感謝を申し上げるとともに、深く心よりご冥福をお祈りいたします。

 

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フットパス終了後、可燃物と不燃物とに分別しゴミを回収。(可燃物:約100ℓ 不燃物:30ℓ タバコの吸殻:約300本)参加者からは「地元に長く住んでいて知らないことを教えてもらた」「こんなにゴミが落ちているとは思わなかった」などの感想をいただき会を閉じました。

 

今年度のフットパスは今回をもって終了とし、暖かくなった春に再開をしたいと思います。

ご参加をお待ちしております。

 

 

 

富士山美化活動を実施しました

11月13日(土)、今年度2回目となる「富士山美化活動」を実施しました。

今回のコースは、赤い屋根から富士五湖有料道路側道までの往復約4㎞のコースとし、道沿いに投棄されているゴミを拾いました。

 

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約1時間半の活動で、可燃物450ℓ、不燃物150ℓを回収しました。タバコの吸殻は約200本。

参加者からは「缶酎ハイの空き缶が多かった」「賞味期限内の未開封ペットボトルなど、なぜこんなものを捨てるのだろう、というゴミがあった」「捨てやすい場所にゴミは集中している」「定期的な清掃活動は重要」「飲みかけの飲料が捨てられいるのが不思議」などの感想をいただきました。

今回のコースは、今年これまでに2回ゴミを拾ったにも関わらず、依然として緑地に多くのゴミが投棄されていました。前回よりも空き缶が目立ったように感じられ、ポスティング広告が大量に捨てられてもいました。

 

ゴミを拾い環境美化に努めることが、ゴミを捨てづらい環境をつくっていることを信じ、啓発活動の一環としてこれからも清掃活動を継続してまいります。

皆様のご協力をお待ちしております。

 

クリーンフットパスを実施しました

10月23日(土)、爽やかな秋の好天に恵まれクリーンフットパス「古吉田・城山コース」を開催いたしました。

今回は地域の歴史に詳しい望月勉氏を迎え解説をしていただきながらの散策となりました。望月氏は現在、富士吉田市中宿連合自治会の会長として月に1度、地域の歴史文化を広報する「中宿だより」の編集にも携わっておられます。

 

中宿の町は、元亀3年(1572年)に古吉田から集団移転をして450年となる節目の年となります。集団移転の背景としては①雪代による災害回避②相模・駿河からの防御戦略③登拝ルートとの一体化、があげられるそうです。

集合場所を出発し、まずは城山の周囲を時計回りに歩きました。城山はかつて外敵から地域を守る重要な拠点として山城が築かれ、吉田衆と呼ばれる住民による自治組織が守っていました。今は樹木で覆われ確認することはできませんが、山の北側には虎の門があり入ってすぐの場所に主郭が築かれていたそうです。

 

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富士見バイパス側からは南北に長く横たわる城山を眺めることが出来ます。

戦国時代にはまさにこの辺りで攻防が繰り広げられていたことでしょう。

 

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集団移転前の古吉田時代の遺物を紹介いただきました。今は管理をする人が地元にいないということで、損傷が進んでいる状態でした。

 

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城山の南側、富士山の手前の小倉山にも山城が築かれていたそうです。

 

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ふじさんミュージアム脇を起点とする福地用水沿いを通り帰路につきます。福地用水は1500年代に造られたと言われ、上吉田の新屋地域から北口本宮冨士浅間神社境内を通り、現在も市内に配水されています。

 

 

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多くの観光客が訪れる新屋山神社を経て、集合場所に到着。

ゴミは可燃物60ℓ、不燃物30ℓでした。タバコの吸殻は約300本、ペットボトルは約20本というヒヤリング結果となりました。

参加者からは「思ったよりもゴミが多くて驚いた」「マスクを5枚も拾った」などの感想が聞かれました。

また、今回丁寧に解説をしていただいた地域の歴史については「地元に住んでいても知らなかったことを学べ有意義だった」「話には聞いていたが、実際に現地に足を運び解説していただいたことで理解が深まった」「稲のはざかけを久しぶりに見て感銘した」などが上がりました。

 

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富士北麓地域は多くの観光客が訪れる一大観光地です。富士山の美しい自然環境が保たれ、地域の文化歴史が着目されて観光地が成り立つと思われます。

これからも財団活動を通じて、環境美化、地域を知ることの大切さを啓発してまいります。

 

 

 

クリーンフットパスを実施しました

9月25日、曇天ではありましたが雨には降られず、クリーンフットパスを開催することが出来ました。

今回は「宮川・桂川コース」と称し、2つの河川が合流するエリア約2㎞を廻りました。

 

集合場所とした美富士ターゲットバードゴルフ場は富士北麓浄化センターの敷地内にあり、センター周囲には富士山の伏流水を活かした養魚場が点在しています。現在4軒の養魚場がニジマスなど淡水魚を養殖しているとのことです。

 

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富士北麓浄化センター脇を流れる宮川の反対側河川敷に、地元有志の方が設立した「ヤマメの歌」歌碑があります。「ヤマメの歌」は正岡子規が執筆した「病牀六尺」におさめられている長歌で、当時明見に住んでいた子規門下の歌人 一五坊 が子規に送った3尾のヤマメを歌ったものです。

 

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かつて地域への電気供給のため水力発電所を運営した「宮川電燈株式会社」跡地に立ち寄りました。この辺り一帯には桜並木があり花見のメッカとなっていたようですが、今は1本も見当たりません。

当時の花見のこと、電力会社取水口のゴミ除去のバイトをしたことなど、参加者の思い出話に花が咲きました。

 

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フットパス終了後回収したゴミは可燃物150ℓ、不燃物30ℓでした。ヒヤリングの結果、タバコとペットボトルの数はそれぞれ約300本、30本で、参加者からは「予想以上にゴミが落ちていて驚いた」という声が出ました。

その他参加者から「ゴミのない綺麗な街に住みたいので、若い人達にも清掃活動を呼びかけたい」「長く地域に住んでいるが正岡子規の歌碑の存在を初めて知った」「歩くことで普段気づかない景色を眺めることが出来た。荒れた農地が目立った」などの感想をいただきました。

 

車窓からでは分からない、歩くことで発見できることが沢山あります。月1回の開催でではありますが、クリーンフットパスのご参加お待ちしております。

 

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富士山水資源講座を実施しました

台風の影響により1日延期となった9月19日(日)、今年度第2回目となる富士山水資源講座を、財団の地権者が協同ですすめている整備森林を会場として開催しました。

今回のテーマは「富士山の水源の森の地質・地下水流動について学ぶ」とし、講師として山梨県富士山科学研究所 専門員 内山高 氏をお迎えしお話を伺いました。

 

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富士山北麓における最近2000年間の火山噴出物は、剣丸尾溶岩を境として東側・西側で大きく様相が異なるということです。

富士吉田市を含む東側は主に雪代などの堆積物によって覆われ、富士河口湖町を含む西側は主に青木ヶ原を代表とする溶岩流によって覆われています。この違いによって、地下水の採取方法も異なるというお話でした。

また富士山は新富士火山、古富士火山、小御岳火山、先小御岳火山の4つの火山が重なり構成されていますが、それぞれに地質・地下水流動の仕方に違いがあり、各々の地層に含まる地下水の涵養された標高は異なるこということです。

標高1,100mに位置する整備森林に降った雨は、富士吉田市内の比較的浅い井戸の水源になってることが想定されるということことを教えていただきました。

 

 

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場所を移動し、中ノ茶屋の裏手の沢を案内していただきました。

この沢は中ノ茶屋溶岩(AD6C~7C)上にあり、溶岩の岩肌を観察することが出来ました。

 

講座を終え参加者からは「研修を受けたことを業務に活かしモチベーションを上げていきたい」「富士山の恵みである地下水について地域の多くの人に理解をしてもらいたい」などの感想が寄せられました。

持続可能、つまりは循環型社会を目指すため、使った地下水以上の量の雨を地下に涵養することを目的に進めている森林整備活動です。その活動内容を紹介しながら、我々住民が利用している地下水の成り立ちを知り、大切な資源について学んでいただけるよう、これからも取り組んでまいります。

富士山水資源講座を実施しました

去る7月18日、水源涵養機能を高めることを目的に財団と地権者が協同で実施している富士山麓の整備森林を会場として、今年度第1回目の「富士山水資源講座」を実施しました。

今回の講座テーマは「富士山の水源の森に生息する植物・昆虫を観察」とし、講師にNPO法人富士山自然保護センター 理事・自然共生研究室長の渡邊通人氏を迎え、整備前と整備後の森林の状態について解説をしていただきました。

 

講師の解説の前に、会場の森林をどのように整備しているか財団より説明をいたしました。

より多くの雨水を地下に浸透させるため

①林内を明るくして下草や樹木の根を発達させ、雨の浸透力を上げる

②間伐によって樹冠遮断による蒸発量を少なくし林床まで直接届く雨の量を多くする

③間伐によって樹木の葉からの蒸散量を少なくする

上記に留意し、現状の森林に生育している高木性の広葉樹を残しながら育てる施業を実施しています。

 

続いて、講師の先生より整備前の森林について説明を伺いました。

 

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整備前の森林は、植林をしたカラマツが長年放置されており、一部伐採をして空いた空間に低木の樹木が旺盛に生育していました。高木層・亜高木層・低木層・草木層が程よく分布する日本の森林らしい階層構造となっていて、植林地でも自然林に近づいていると説明をしていただきました。

 

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一方、水源涵養機能を高めるため除伐・間伐の施業をした整備後の森林は、光が林床に届いたことで草木層の植物の種類が大幅に増加しました。6月に実施していただいた調査結果によると、確認された植物の種類は総計63種で、整備前の52種を上回りました。

 

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現在水資源保全のため整備を行っている対象森林の総面積は約50haで、今後も毎年1haずつ除伐・間伐整備を行う予定です。人の手が加わることで、多様な生態系を築くことが出来ることを学びました。

参加者からは、「整備前・整備後の違いが良く分かった」「調査データがあることで状態を明確に把握できた」などの感想をいただき、データに基づく説明に対して大変に感心をしておられました。

 

今後も整備森林を会場に、様々な学習会を開催していく予定です。

 

 

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オシダ(整備前森林)

 

 

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メマツヨイグサ・ヤマホタルブクロ(整備後森林)

 

 

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シシウド(整備後森林)

 

 

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オニノヤガラ(整備後森林)

 

 

 

クリーンフットパスを実施しました

去る7月10日、第3回クリーンフットパスを実施しました。

本活動は、地域を清掃しながら地域の名所を巡り、環境保全と地域の歴史文化を学ぶことを目的に毎月実施しております。

 

今回は「小室浅間神社・新倉浅間神社コース」と称し、その名のとおり神社2箇所を廻るコースといたしました。

集合場所とした冨士山下宮小室浅間神社の境内には馬場があり、現在4種類、計6頭の馬が飼育されています。

これらの馬をもちいた地域活性に取組む「馬力屋」担当者様より活動内容とそれぞれの馬の紹介をしていただきました。

特に新倉富士浅間神社境内から忠霊塔まで馬車で登るサービスは大変に人気とのことです。

 

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説明の後、小室浅間神社を出発し、下吉田駅前を通過して新倉富士浅間神社に向かいます。

途中、綺麗に整備されたハーブ園を経由。こちらの管理者はハーブの生産・加工の事業の他、シェアファームを企画するなど、ハーブに関連する多角的な事業を展開しています。

 

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目的地である新倉浅間神社に到着。今回は忠霊塔までは登らず、神社境内にて小休憩をとり折り返しました。

帰路は大正寺に立ち寄るルートとしました。このエリアには大正寺、如来寺、正福寺の3つの寺が並びます。

 

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開催当日は富士吉田市出身のロックバンド・フジファブリックの元ボーカル志村正彦さんの誕生日ということを行き会った方に教えていただき、志村さんの生家を参加者に教えていただくなど、志村さんを偲ぶ日となりました。

富士吉田市では志村さんの誕生日と命日を含むそれぞれ1週間、防災行政無線の夕方のチャイムが彼の代表曲に代わるという粋な計らいがなされています。7月は「若者のすべて」、12月には「茜色の夕日」のメロディーが流れます。

 

小室浅間神社に戻り、ゴミを分別。今回は2㎞弱のコースでしたが、ゴミは少なく可燃ゴミ30L、不燃ゴミは缶2つでした。参加者より拾ったタバコの吸殻の数をヒヤリングしたところ、概ね合計60本となりました。こちらも、従来の清掃活動に比べ少ない結果となりました。観光地ということもあり、常日頃、有志の方が清掃活動を行っているのかもしれません。

 

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次回のクリーンフットパスは8月下旬を予定しております。どうぞお気軽にご参加ください。

 

 

清掃活動を実施しました

6月19日に予定をしていたクリーンフットパス「青少年センター赤い屋根コース」が中止となりましたので、6月24日に財団関係者のみで予定コース約2㎞の清掃活動を行いました。

 

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いつもの通り、タバコの吸殻が多く捨てられおり、2㎞の行程で約200本の吸殻を拾いました。タバコのフィルターはプラスチックで出来ているものが多く、自然界で分解されるのに10年ほどかかると言われています。

また、住宅地から森林に入ると、ポイ捨てゴミが散乱していました。

今回は初めて、そのままの玉ねぎを2玉拾いました。バーベキュー未利用の食材だったのでしょうか。

 

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約1時間の清掃活動で、可燃ゴミ90L、不燃ゴミ20Lを回収しました。

 

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今回集合場所とした「富士吉田市立青少年センター赤い屋根」は、現在海外で活躍中の大谷翔平選手が高校時代に合宿を行った場所でもあるそうです。センター関係者の話によりますと、宿泊期間中に施設周辺の清掃活動を行ったとのことで、何とも感動的なエピソードに心を打たれます。

来月のクリーンフットパスは下吉田の2か所の神社を廻ります。

クリーンフットパスを実施しました

5月22日のクリーンフットパスは、富士河口湖町に所在する赤十字病院の周辺約2㎞を、財団関係者のみで実施しました。

 

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赤十字病院の周辺は赤松が群生する緑豊かなエリアです。

車が路駐可能な路肩スペースにゴミが捨てられていることが多く、今回も沢山のゴミが落ちていました。

いつものように、タバコの吸殻、飲料容器が多かったですが、病院の周りということもあって、薬の包装ゴミも目立ちました。

 

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また、捨てられたマスクは草木の枝に絡まって取りづらいケースが多いです。

 

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今回、約2㎞の清掃活動で、可燃物90ℓ、不燃物30ℓのゴミを拾いました。

今年も月に1回のペースで、クリーンフットパスを実施いたします。

ご参加お待ちしております。

 

2020年度顕彰事業の表彰を行いました

2020年度顕彰事業の対象となりましたNPO法人富士山自然保護センター様に対し賞状と副賞の授与を行いました。

 

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NPO法人富士山自然保護センター様におかれましては、2012年の設立より富士山周辺の自然環境の調査・研究並びにその情報提供に関する活動などを展開しておられます。生物多様性保全上、重要な意義がある調査を長期にわたり継続されてきたことが評価され、選考委員会での審議を経て、顕彰対象となりました。

今後も、富士山の自然の素晴らしさを私たち住民に教えて下さりますよう、お願い申し上げます。

 

 

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