クリーンフットパスを実施しました!
粟井財団では月に1度、清掃活動を行いながら地域の環境や文化歴史について学ぶクリーンフットパスを開催しております。去る11月16日、今年最後の回となるクリーンフットパス「上吉田地区コース」を講師に天野安夫氏を迎え実施しました。
上吉田コミュニティーセンター駐車場にて開会式を行った後、早速活動をスタート。
今回は御師町周辺約4㎞を案内いただきました。解説をいただいた箇所とルートは以下のとおりです。
大国屋→筒屋→小佐野家→西念寺→吉祥寺→根神社→地蔵寺→塩谷宅→渡辺家宅→菊田家→善導寺→小御岳神社里宮→外川家→中雁丸表門→身禄堂
講師の天野氏には13ページにもわたる解説資料を準備いただき、廻った場所について詳細に分かるようにしてくださいました。また、多くの御師の家の入口には案内板が設置されているので、それぞれの特徴について深く理解をすることが出来ます。
約2時間をかけて地域を廻り、回収したゴミを分別した結果、可燃物60ℓ、不燃物30ℓとなりました。
最後に講師より「地域のことに関心を持たれる方は地域外から来た方が多い。是非、地元住民の方にももっと地域の歴史を知っていただき史跡を大切にしていただきたい」とのお言葉をいただき閉会。
世界文化遺産に登録された富士山の山麓周辺には、江戸時代に隆盛を極めた富士山登拝にまつわる歴史や文化が多く在ります。これからもフットパス活動等を通じて、地域の歴史文化を学ぶ機会を作ってまいります。
「みんなの食堂 赤い屋根」に富士吉田市産新米を提供しました!
粟井財団では地下水を育む田畑を保全することを目的に富士吉田市内で生産をしたお米を買い上げて取り扱いを行っております。
去る11月15日、2024年度新米を地元住民の方に味わっていたくことで地元農業の大切さや必要性を実感していただくため、富士吉田市内にて月に1度開催されている「みんなの食堂 赤い屋根」(主催:NPO法人 富士北麓まちづくりネットワーク)の参加者に新米を提供いたしました。
当日は配布する米の生産者である堀内治氏に来場いただき、富士吉田市内における米生産の現状や、食味における高冷地の優位性、提供品種「たきたて」についてなどをお話しくださりました。
参加者100名の方1人につき2㎏の新米を帰りにご提供。美味しさを実感していただき、地域農業への関心を深めてくださることを期待しております。
富士山美化活動を実施しました!
去る11月9日、富士吉田市青少年センターを集合場所として、その周辺約5㎞の清掃活動を実施しました。
今回のルートはゴミが多いことから、2016年より毎年実施しているコースとなります。
開会式を終え、早速活動を開始。
当日は天候に恵まれ、道からの紅葉を楽しみながら参加者同士の交流も図れたようでした。
回収したゴミを分別した結果、可燃物200ℓ、不燃物100ℓの結果となりました。
昨年は可燃物350ℓ、不燃物170ℓでしたので、今年は約1/2の量となりました。また5年前と比べると約1/5となり、ゴミの量は減少傾向にあります。
今までコース上にあった自販機が撤去されており、缶ゴミが少なくなったことや、財団関係者で今年2回清掃したこと、他の個人や団体もゴミを拾ってくださっているのでは、等々、要因は様々考えられますが、ゴミがゴミを呼び込まないよう、定期的に清掃を続けたいと考えております。
富士吉田市農業まつりに出店しました!
去る10月13日、秋晴れの中ふじさんミュージアムパーク内の芝生広場にて「富士吉田市農業まつり」が開催され、当財団もブース出店をいたしました。
これまで会場となっていた富士山アリーナが解体工事中のため、今回初めて芝生広場での開催となりました。
会場面積はこれまでと比べて格段に狭くなり出店ブースも減りましたが、財団で行った「農業&富士山クイズ」の参加者は144名と例年並みの人数でした。
クイズは6問で、富士吉田市の農業統計と富士山の登山者・来訪者数についてなどを設問としました。
144名の参加者の内、全問正解者は36名。正解者の方には木工品を、不正解の方には参加賞としてチョコレートをプレゼントいたしました。
関係者の皆様、終日大変にお疲れさまでした。
クリーンフットパスを実施しました!
去る10月12日、クリーンフットパス「奥河口湖さくらの里公園コース」を実施いたしました。
富士河口湖町内には主なものとして9カ所、町立の公園があるそうです。今回はその内の1つである奥河口湖さくらの里公園内とその周辺を散策いたしました。
当日は2011年より公園の草刈やトイレ清掃などを担っている長崎山さくらの里づくり協議会の方々と役場の公園担当者に出席いただき公園内を案内していただきました。
開会式の後さっそく公園内に向かうため山の坂道を登ります。
公園内には頂上広場と3つの展望デッキが整備されています。頂上広場からは辛うじて富士山の頂上が望め、それ以外からの場所では富士山を見ることが出来ないのが残念ではありましたが、3つの内最もデッキの大きい第1展望デッキではアカマツの隙間から河口湖を広く見晴らすことが出来ました。
3つの展望デッキを廻った後、木製のデッキ歩道の階段を下りて湖畔に向かいます。
展望デッキも木製歩道も部分的に木が朽ちていて、園内に入る場合は足元への注意が必要です。
湖畔の草地は協議会で年4回草刈を行っていることから、湖畔沿いを問題なく歩くことが出来ました。またここ10年内に植樹された桜が25本あるとのことで、春の時期は桜が楽しめそうです。
公園を後にして、長浜地区の中心街方面に向かいます。
足和田ホテル手前の古民家を改装し最近宿泊施設としてオープンした「THE LAKE 河口湖暮し」に立ち寄り、こちらを運営する小佐野代表に施設概要についてお話を伺いました。
施設は1棟貸の宿泊用途以外にウェディング会場やレストランとしても活用しているとのことです。当日は海外からのお客様が連泊中とのことで中の様子は伺うことは出来ませんでした。
集合場所の公園駐車場に戻り、ゴミを回収。今回は協議会の方で分別と処分をしていただきました。可燃と不燃を合わせて50ℓ程となりました。
閉会式では参加者の皆様より、感想や公園の利活用についての意見をいただきました。
・公園内のデッキの維持管理を続けていくことは大変なことだと感じられた。
・ミツバツツジが沢山植えられていた。湖畔の遊歩道の草刈を年に4回されているとこのことで大変なご苦労だと思う。
・河口湖町内に住んでいて公園の存在を知らなかった。親子参加型のイベントなど開催すれば認知が広がるのでは。
・せっかく管理している公園なのでもっとPRをすると良いと思った。
・外国の方が大勢サイクリングを楽しんでいたので駐輪しやすくすればSNSでも紹介してもらえるのでは。
・トイレがとても綺麗だった。
当日は天候に恵まれ穏やかなフットパスとなりました。
参加者の声にもあったように今後公園がより多く活用されることを期待いたします。
環境保全地視察研修会を実施しました!
去る9月29日、環境保全地視察研修会を実施し、静岡県富士宮市内の2カ所に赴きました。
午前中は富士教育訓練センターにて開催された「朝霧草原自然環境保全フォーラム(主催:富士宮市根原区)」に参加。朝霧草原の帰化植物とアズマネザサ抑制実証実験報告について2名の講師よりそれぞれ解説をしていただきました。
朝霧草原の帰化植物については、講師の佐野先生より48種の帰化植物を丁寧に解説していただきました。
またススキの生育を阻害するアズマネザサ抑制実証実験については、2020年より設定した試験区におけるアズマネザサの草刈結果について木村先生に解説をしただいた上、今後に向けた課題についてお話を伺いました。
午後は更に足を延ばし、「田貫湖ふれあい自然塾」にて「季節の自然さんぽプログラム」に参加いたしました。
敷地内を約1時間かけてインタープリターの方に案内いただきました。
自然に関する解説の他、途中で虫、リス、ムササビに関するクイズを出していただき大変に盛り上がりました。
最後は「秋」をテーマに参加者が俳句を作るという企画で締めくくりました。
流石の案内技術に参加者も感心しきりでした。
帰路の車内にて参加者よりいただいた主な感想は以下のとおりです。
・帰化植物の解説がとても分かりやすく、沢山の種類を覚えることができた。
・身近な雑草が帰化植物であることを知り驚いた。挿絵が丁寧に書かれており感心した。
・田貫湖に久しぶりに来たが施設が増えており変貌に驚いた。
・ふれあい自然塾のガイドが楽しく、様々に学ぶことも出来て有意義だった。
・自然解説と俳句が楽しく印象に残った。
普段意識をすることのない身近な自然にも、明治以降に海外から入ってきた外来植物が多いことや、アズマネザサのように年々勢力を拡大する在来植物があることを学びました。
午後の自然ガイドでは、まだまだ知らない自然の奥深さを楽しみながら認識することが出来、1日を通して学びの多い研修会となりました。
改めて、地域の身近な自然環境を観察して実態を学び、次世代に伝えて参ります。
クリーンフットパスを実施しました!
去る9月14日、クリーンフットパス「赤十字病院周辺コース」を実施しました!
今回のコースはこれまでも何回か清掃活動を行っており、ゴミのポイ捨てが多い場所として印象に残るエリアです。
今年も集合場所に富士北麓森林組合様の駐車場をお借りし、開会式の後、早速フットパスをスタート。
富士北麓森林組合施設は剣丸尾溶岩流上に建設されいます。今回も施設から程ない場所にある東海自然歩道を入り、道の途中にて勝俣理事より剣丸尾溶岩流についての説明を伺いました。約1000年前の噴火で流れ出た溶岩流上のアカマツ林は美しく、残暑厳しい日ではありましたが林内はとても涼やかで、癒される空間でした。
山梨赤十字病院を折り返した後、アカマツ林沿いを南に歩き、反時計回りに国道139号に合流します。
後半は国道139号沿いを歩き集合場所へと向かいます。
約2時間、2㎞程のコースを散策し、ゴミの分別の結果、可燃物120ℓ、不燃物30ℓとなりました。
今回初めての参加者からは「丁度良いコースだった。ゴミは思ったよりも少なく感じた」との感想をいただきました。またこのエリアを良く知る参加者からは「いつもよりゴミが少なかった。今日近隣でイベントがあるので事前清掃を行ったのでは」との感想をいただきました。
次回は奥河口湖のさくら公園周辺を散策いたします。
ご参加お待ちしております。
クリーンフットパスを実施しました!
去る8月24日、「吉田の火祭りコース」と称したクリーンフットパスを北口本宮冨士浅間神社から御師町にかけて実施いたしました。
今回は案内を「富士山世界遺産ガイドマイスター」である桑原賢次氏に依頼し、8月26日、27日に開催される日本三奇祭であり国の重要無形民俗文化財にも指定されている「吉田の火祭り」に関連する内容を含め、コース上を解説をしていただきました。
神社内を十分に案内していただいた後、御師町に向かいます。火祭り当日には百本もの大松明が立てられる通りの脇には、既に松明が置かれており着々と準備が進んでいる様子を間近に見ることができました。
8月26日の夜に2基の御神輿が奉安される「御旅所」の会場になる上吉田コミュニティーセンターを折り返し、西念寺を経由し帰路につきました。
回収をしたゴミを分別し、可燃物20ℓ、不燃物少々となりました。
火祭りは山じまいのお祭りと言われているように、夏の終わりを感じられる気候を期待しておりましたが、当日は残暑厳しい陽気で、温暖化の影響をひしひしと感じる回となりました。
富士山自然観察会を実施しました!
粟井財団では、富士山の自然について学び、身近に親しむことでその環境を保全する心を育むこと目的とした「富士山自然観察会」を定期的に企画しています。
8月10日には講師に内山高先生を迎え、かねてより関心の高いテーマであった火山や溶岩に関する観察会を実施いたしました。
当日は12名の一般参加者、財団関係者、講師を合わせた18名にて、富士山の側火山の「雁ノ穴」「小臼」、梨ヶ原内の溶岩流を観察いたしました。
視察先1ヵ所目の「雁ノ穴」は、平成16年に改定された富士山ハザードマップに新たに加わった火口です。
北富士演習場内にあるため普段は足を踏み入れることは出来ませんが、立入日を確認し、県に許可申請し、恩賜林組合に入山鑑札を必要分発行していただいた上で当日を迎えました。
まずは 5世紀~7世紀頃の噴火によって出来た「溶岩トンネル」とトンネルの一部が崩れた「崩れ穴」を観察。冷気が漂う神秘的な場所でした。
続いて溶岩トンネルの北側にある、小高く盛り上がった場所へ。かつて雁ノ穴火口と思われていたこの場所は溶岩塚(ホルニト)で、実際は100mほどの南の一直線の溝が火口であることが2000年以降に行われた現地調査にて確認できたそうです。
溶岩塚の中央には大きな穴が開いているので、立ち入る場合は足元に注意が必要です。
雁ノ穴を後にして、2カ所目の「小臼」に向かいます。小臼は、忍野村立さかな公園の駐車場に隣接する約1万年前に噴火した古い側火山です。
今は木々に覆われてうっそうとしている火口は丸く、周囲に遊歩道があるので一周を徒歩で散策することが出来ます。また、小臼の周辺には、大臼、臼久保、膳棚の3つの側火山があり、いずれも約1万年前に噴火活動をしていたそうです。
3か所目の視察先は、梨ヶ原内の通称「見晴らし台」に向かい、そこから観察できる溶岩流について解説をしていただきました。
山中湖手前の小高く盛り上がった鷹丸尾溶岩が市街地まで延び、その上に広がるハリモミ純林までを観察することが出来ました。
今回の側火山や溶岩流の観察会を通じて、富士山の様々な様式による噴火の歴史を学ぶと同時に、迫力ある景観を目の当たりに出来た半日でした。
富士山自然観察会を実施しました!
去る7月28日、講師に富士山生物多様性研究室の渡邊通人氏を迎え、植物や昆虫に焦点を当てての富士山自然観察会を実施しました!
まずは富士山麓標高1,100mに位置する水資源保全のための整備森林にて、整備前と整備後の森林をそれぞれ歩き、植生の違いについて講師より解説をしていただきました。
また、植生調査結果によると、整備前森林には77種の植物が、整備後森林は106種の植物が観察され、その内整備をしたことによって68種を観察することができたとのことで、間伐や草刈りの整備によって草木層がいかに豊富になったかということを教えていただきました。
整備森林の観察後、梨ヶ原草原に向かいます。草原内では環境の違う2カ所を案内していただきました。
毎年4月に行われている「火入れ」によって草原環境が維持されている梨ヶ原草原。普段は演習場として使われているので、立入日を確認し、入山申請を行った上で観察会を企画しました。
全国的にも面積が激減している草原環境ですので、今回も沢山の貴重な草原性の植物や蝶を観察することが出来ました。
また植生調査によりますと、整備森林には187種の植物が、梨ヶ原草原には146種の植物が確認でき、その内、整備森林のみに確認できた種が116種、梨ヶ原のみに確認できた種が75種ということでした。
このように同じ富士山麓であっても手入れの仕方やその場所の環境条件によって大きく植生が異なり、植生が異なることによって昆虫や鳥などの動物の種類も変わることが分かりました。
身近にある自然を観察することで、自然に親しみ大切に思う方が増えることを期待し、今後も自然観察会を開催して参ります。