クリーンフットパスを実施しました!
去る9月16日、クリーンフットパス上暮地地区散策コースを実施しました。
当日は講師にすその路郷土研究会様を迎え、地区の名所をご案内いただきました。
集合場所とした福昌寺跡である寺家(じけ)にて開会式を行い、寺家の説明をしていただいた後、遠妙院へ向かいます。
現在は小立の常在寺持ちとなっている遠妙院。曼荼羅をかけたとの言い伝えがあるエノキの木は枯れてしまっており、切り株だけが残っておりました。
上暮地地区の氏神様である神明社には大きなイチョウの木があり、気根と呼ばれる柱が垂れ下がった木の根元にしめ縄が巻かれ祀られていました。
細い道を抜けて山ノ神神社に向かいます。
山ノ神神社の境内には国の天然記念物に指定されているフジの木があります。またイタヤカエデとケヤキの大木が寄り添いながら立っており、そこにフジが絡みつくことで大きな棚を作っておりました。イタヤカエデも市指定の天然記念物とのことです。
続いて、剣丸尾溶岩流の末端部にて講師より解説。
高く立ちはだかった溶岩流により、かつては馬が通れず「馬止め」と言われる場所だったそうです。そこで1888年に暮地義信が弟や土工、発破士と共に道の改良工事を開始。崖の上には暮地義信碑(道路開通記念碑)があり、当時の工事内容が刻まれています。
その後、口論橋、道祖神、庚申神、廿三夜講の説明をいただき、集合場所に到着。
「地元に住んでいてもあまり来る機会がない場所だったのでよい勉強になった」「石塔が多くそれぞれの意味を教えていただき為になった」「昔の人は地域コミュニティーを大切に団結して暮らしていた様子が伺えた」「剣丸尾溶岩の末端部を知れたことと、暮地義信の生家も分かり有意義だった」など、参加者より感想をいただきました。
2㎞と短いコースではありましたが、知る人ぞ知る道を案内いただきながら、石碑に刻まれた内容についても詳細に教えていただいたりと講師の方々には大変にお世話になった回となりました。心より感謝を申し上げます。
分別したゴミは、可燃物30ℓ、不燃物10ℓとなりました。
富士山自然観察会を実施しました!
去る8月27日、昨年に引き続き2回目となる富士山自然観察会を実施しました。
講師に富士山生物多様性研究室代表の渡邊通人氏を迎え、講師が富士山麓の異なる環境で比較調査をしている植生と昆虫類について、解説をしていただきながら観察をする内容といたしました。
財団事務所にて開会後、借上げたマイクロバスに乗車し出発。
標高1,100mに位置する、財団が地権者と協同で進めている水資源保全のための整備森林に向かいます。
まずは整備をする前の森林についてお話をいただきます。
カラマツの人工林に手を加えないことで低木層や草本層が成長し、原生的自然に近い環境に遷移してきています。
今年の植生調査と2年前に実施した調査とを比較したところ、植物の種数には基本的に大きな変化はみられたかったそうです。
続いて、除伐、間伐、草刈といった整備をした後の森林について解説をいただきました。
整備を行うことで林床に光が入り、草木層の種類が63種類から106種類に増加しました。特に、整備後森林の草木層106種類の内、未整備森林には見られない種類が64種類もあったなど、いかに草木層が豊かになったかというお話を伺いました。水資源保全を目的に行っている森林整備が、生物多様性の増加にも貢献しているとのことです。
整備森林の観察を終え、続いての目的地である梨ヶ原草原に向かいます。
全国的に草原環境が激減する中、広大な面積を誇る梨ヶ原草原は、全国を代表する草原といっても過言ではありません。4月に火入れを行うことで草原環境が保たれています。
今回は立入が許される日を確認し、入会権利のない参加者には入山鑑札を取得した上で立入りました。
1ヵ所目に訪れた、見渡す限りの草原が広がる場所では絶滅危惧種のヒメシロチョウを観察することが出来ました。
少し歩いた場所は、火が入りにくい場所であることからアカマツなど高木も残っていたりと、植生や昆虫の種類も変わってくるというお話を伺いました。同じ草原でも少しの環境の違いによって、生息する生物が違ってくることを学びました。
草原内をバスで移動し訪れた2カ所目の場所は、カシワの木が多く残る場所となっています。カシワは火に強く、火入れをしても耐えられるそうです。
こちらのエリアは調査の結果、草原1ヵ所目の場所よりも草木層の種類が多い場所とのことでした。
閉会の前には質疑応答や参加者からの感想などを頂きました。
今回初めて梨ヶ原に入るかたが多く、梨ヶ原はすごい場所、驚くことが多かったなどのコメントや、自然に手を加えることについてプラスの面もあることを知った、それぞれの自然環境には意味があって無駄なものはない、など感想をいただき会を閉めました。
今後も身近にある富士山麓の自然環境を知ることで大切に思い、保全の気持ちが醸成されるよう、観察会を開催して参ります。
クリーンフットパスを実施しました!
去る8月19日、クリーンフットパス「新屋地区散策コース」を実施しました!
新屋所在の財団事務所を出発し、福地用水沿いを歩いて新屋山神社を目指します。
福地用水は1600年頃、桂川の水を農業や生活水に利用するために造られ、新屋地区を横断し北口本宮浅間神社の鳥居前を流れ、市街地に水が分配されています。
新屋山神社前に到着後、かつてこの地域を流れた雁ノ穴溶岩流について解説を伺いました。
雁ノ穴は近年の調査によって噴火口であったことが分かり、富士山ハザードマップの改定の要因になるなど脚光を浴びたことで有名です。
参拝後は、神社の南方面へ歩き、大通りに出て道なりに北口本宮冨士浅間神社に向かいます。
北口本宮冨士浅間神社の敷地内には、東海自然歩道の案内板が設置されています。東京都八王子と大阪府箕面市を繋ぐ約1700kmの道は富士北麓地域も横断しており、今回のフットパスも福地用水沿いの道が東海自然歩道と重なっています。
3㎞弱のコースを約2時間かけて散策。
事務所到着後にゴミを分別。ゴミはこれまでになく少なく、可燃ゴミ15ℓ、不燃物は缶1つでした。
閉会式でいただいた感想は以下のとおりです。
◇何十年ぶりに新屋山神社に来たが、当時と比べ境内も道も駐車場も様変わりしていて驚いた。
◇説明のあった雁ノ穴や小水力発電の場所に行ってみたい。
◇ゴミが少なくてとても感心した。
◇樹があるところとないところでは体感温度が違う。樹を切りすぎないように大切にしてもらいたい。
◇春から咲いている花、夏の花、秋の花やイガグリ、と様々に観察できた。
◇溶岩流のことなど、地元にいても知らないことがあるので、これからも知識を深めていきたい。
◇新屋山神社に初めていった、とてもよい場所だった。
残暑の厳しい日でしたが、大木で覆われた神社境内はとても涼しく、自然のありがたみを実感したフットパスでした。
クリーンフットパスを実施しました!
去る7月22日、クリーンフットパス「剣丸尾溶岩流・赤十字病院周辺コース」を実施しました!
赤十字病院周辺の清掃活動は2回目になりますが、前回は多くのポイ捨てゴミに驚いたコースです。
集合場所としてお借りした富士北麓森林組合事務所を出発し、赤十字病院方面へと向かいます。
富士北麓森林組合事務所前の道を横断した向かいのアカマツ林内には「東海自然歩道」が通っており、剣丸尾溶岩流上のアカマツ林を間近に見ることができます。
約1100年前の富士山の噴火の際に流出した溶岩上に現在生息するアカマツの樹齢は100年程とのことです。
東海遊歩道を出て、赤十字病院前の道路沿いには沢山のポイ捨てゴミが。
途中、赤十字病院から程ない場所にある、NPO法人富士と湖とかかしの里が運営する「シェアスペースかかし」に立ち寄りました。
子ども食堂、学習支援、フードパントリーなどを展開しており、財団も2018年からその活動を助成支援しております。
八須代表に施設の紹介や近況のお話を伺った後は、再度アカマツ林内を通り、集合場所に戻りました。
車通りの多い森林沿いの道はいつもながらポイ捨てが多いです。今回は病院周辺ということもあり、薬を取り出した後のゴミが捨てられているのが特徴的でした。
約2㎞のコースを2時間かけて散策。集合場所に戻りゴミの分別をした後、参加者より感想をいただきました。
「ゴミが多くて驚いた。病院の周辺なのに残念だ」「森林浴を楽しめた。アカマツは陽樹で太陽に向かって上に伸びていると聞き、自分も同じようにこれからも成長したい」「山野草の花も見ることができて良かった」など。
分別の結果、可燃物120ℓ、不燃物20ℓでした。
ゴミの多いコースなので、定期的に計画提案をしたいと思います。
クリーンフットパスを実施しました!
6月24日(土)、クリーンフットパス「鳴沢村活き活き広場コース」を実施しました。
今回集合場所とした活き活き広場は、鳴沢村が管理する平らで広大な芝生広場です。そこに忽然と昨年秋に現れた遊具は、財団の寄付事業を活用して設置されました。ぜひ沢山の人に利用していただきたいものです。
開会式後、活き活き広場を出発し「鳴沢溶岩樹形」に向かいます。
国道から一歩森の中に入ると、体感温度もぐっと下がり爽やかな空気につつまれます。
国の特別天然記念物に指定されている「鳴沢溶岩樹形」に立ち寄ります。敷地内に設置された説明板には、溶岩樹形の成り立ちや、12の溶岩樹形の分布図が分かりやすく記載されていました。特に第11号の溶岩樹形は、完全な形で見ることのできる世界的にも珍しい「溶岩樹形スパイラクル(水蒸気噴気孔)」で、極めて貴重な溶岩樹形とのことです。
国の特別天然記念物で地質・鉱物部門に分類されるものは20件しかなく、「鳴沢溶岩樹形」はその内の1つです。山梨県内では動物や植物すべての部門を合わせても、唯一の特別天然記念物となっています。(ただし地域を定めずに指定されたものを除く)
敷地内には歩道があり、溶岩樹形が見学できるようになっています。
第11号の溶岩樹形は、厳重に鎖が張り巡らされていました。
鳴沢溶岩樹形を後にし、魔王天神社に向かいます。
100段の急な階段を登った先に神社があり、更に進むと東海自然歩道に合流することが出来るそうです。360度のパノラマで有名な紅葉台へも1時間を目安に行けるとのこと。
帰路は、道の駅なるさわとFCふじざくらの本拠地を横切り、集合場所に到着。それぞれに回収したゴミを可燃不燃に分別していただき閉会としました。
閉会式でいただいた感想としては「地元に住んでいても知らない名所があって驚いた」「溶岩の上に生えた樹木の生命力を感じた」「外を歩くことがとても気持ちよかった」など。
また東京からご参加いただいた方からは「山梨といえば、富士山、武田信玄公に頼っているイメージだが、名所も沢山あって食べ物もおいしいので、海外向けだけでなく国内の人にアピールするとよいと思う」というエールをいただきました。
分別の結果、可燃物60ℓ、不燃物15ℓでした。
メイン通り沿いのタバコのポイ捨ては相変わらず多かったですが、緑地帯のポイ捨てゴミが想定したよりも少なく、地元の方が定期的に清掃をされているかと思われました。
次回のご参加おまちしています。
2022年度公募助成事業成果発表会を実施しました!
去る6月17日、18日の2日間、2022年度公募助成事業成果発表会を山梨県富士山科学研究所にて実施いたしました。
17日には環境保全部門7団体、18日には地域振興部門21団体に参集いただき、それぞれに成果の披露をしていただきました。
初日の環境保全部門では、開会式、表彰式の後、高評価団体として選出された一般社団法人 山廬文化振興会様より活動内容の発表をプロジェクターを用いて説明していただきました。
続いて各団体の展示ブース前で、6団体が口頭にて発表。
口頭発表の後は、参加者同士の自由な情報交換の時間としました。
約1時間、それぞれに十分な交流を持てた様子でした。
閉会式では出席いただいた3名の選考委員より講評をいただき、2022年度環境保全部門の発表会を閉めました。
続いて2日目、地域振興部門の団体に参集いただき発表会を開催。
開会式では財団創設者の粟井英朗社長よりこれからのビジョンについてご講話を賜りました。
続く高評価団体の表彰では、富士吉田市グラウンド・ゴルフ協会様、富士吉田杓子山パノラマトレイルラン実行委員会様、株式会社 和文化発信研究舎様、Restar-to様、の4団体を対象として副賞の授与が行われました。
開会式と表彰式を終え、社会グループ、経済グループの2班に分かれ、それぞれ1階ホールと3階研修室にて口頭発表を実施。
1階ホールでは社会グループ13団体による口頭発表を行いました。
3階研修室では経済グループ8団体が口頭にて発表。
21団体の口頭発表の後は、1階ホールに展示披露をしたブース前にて各自自由に情報交流を行いました。
情報交流後、各グループの選考委員長より講評をいただき、2日目を終了。
公募助成事業では、団体より提出いただいた報告書を抜粋し綴った「成果報告書」をすべての団体に配布をして、その成果や反省点などを共有しておりますが、やはり、直接話をして交流を持つことの重要性を改めて認識をした会となりました。
2023年度助成事業の成果発表会についても、有意義な交流会となるよう改善し企画をしてまいります。
地域における環境保全と地域振興の輪が広がり、よりよい地域づくりに貢献できるよう、これからも当該事業を進めてまいります。
クリーンフットパスを実施しました!
去る5月20日、クリーンフットパス「中ノ茶屋・滝沢林道 探鳥コース」を実施しました!
今回は講師として野鳥研究がご専門の山梨県富士山科学研究所の水村氏を迎え、清掃活動をしながら富士北麓に生息する野鳥について教えていただく企画といたしました。
12名が参加した開会式では、講師より繁殖終了後に採取した鳥の古巣を見せていただき、沢山の人工物が巣材に使われていることを確認しました。巣材に網状のものが使われると、孵化したヒナの足に絡まり、飛び立つことが出来ず巣の中で死んでしまうことも少なからずあるそうです。改めて、人が捨てたゴミが及ぼす野生動物への悪影響を目の当たりにしました。
開会式を終え、集合場所の中ノ茶屋に隣接している整備森林約50ha内を通る林道を、ゴミを拾いながら散策します。
財団と地権者が2019年に提携を結び行っている森林整備は4年が経過し、現在第4区画まで整備が進んでいます。
途中、講師より野鳥のさえずりを聴きながら、何の種類か、どのような特徴がある鳥かなどについてレクチャーを受けました。ウグイスの他、メジロ、コルリ、センダイムシクイ、ノジコ、コマドリ、などなど、講師によりますと今回のコースで20種の野鳥が確認されたそうです。
2か月前に作業を終えたばかりの第4区画の整備森林内にはゴミがとても目立ちました。特に古い缶が散乱しており、長年にわたって集積された多くのゴミを回収することが出来ました。
3㎞程のコースを約2時間かけて散策し無事に集合場所に到着。講師より野鳥ハンドブックと照らし合わせながら、何の種類がいたかをおさらいしていただきました。
【当日見聞きできた鳥:ホトトギス、ツツドリ、カッコウ、コゲラ、コガラ、ヒガラ、シジュウカラ、ヒヨドリ、ウグイス、ヤブサメ、エナガ、センダイムシクイ、メジロ、コマドリ、コルリ、キビタキ、カワラヒワ、ホオジロ、ノジコ、ソウシチョウ】
参加者からは「こうしたゴミ拾いの活動を続けることで、綺麗な森の状態を保っていきたい」「新緑の美しい季節に沢山の鳥のさえずりを鑑賞できて素晴らしい時間だった」などの感想をいただき会を終了。
富士山麓地域は沢山の野鳥が生息するエリアとして全国的にも有名です。参加者の皆様には今回知った野鳥の種類とさえずりを身近な人に伝えることで野鳥への愛着の輪を広げていただき、これからも安心して野鳥が暮らせる環境を保っていきたいものです。
分別の結果、可燃物240ℓ、不燃物120ℓとなりました。
来年も第5区画目の整備後、清掃活動を行う予定です。皆様のご参加をおまちしております。
富士山美化活動を実施しました!
去る4月21日、富士山美化活動を富士吉田市城山東農村公園周辺にて実施しました。
当日は企業の新人研修と合同開催し、一般参加者は清掃活動、新人研修は側溝の草除去作業を行いました。
城山東農振地区で農業生産を行う堀内治氏や市の農政課にもご協力いただき作業を進めることができました。
清掃活動は2班に分かれ、集合場所から上部・下部それぞれを約1時間2キロ程度の道沿いのゴミを拾いました。
集合場所に戻り、可燃物と不燃物に分別し解散。
農村公園周辺の清掃はここ10年毎年実施しており、清掃活動中は開始当初よりもゴミが減ってきているような印象でしたが、閉会後に軽トラで回収したゴミを合わせると昨年よりも増えている結果でした。同じ種類の空き缶が何十個もあり、同一者が習慣として捨てているようにも想像できました。
可燃物630ℓ、不燃物120ℓの回収結果となりました。
ゴミのない美しい景観があってこその観光地でありますし、水や食料の生産地としてもゴミゼロの地域をめざしたいものです。
シイタケ植菌体験会を実施しました!
去る3月26日、富士吉田市立青少年センターレクリエーションホールにて「シイタケ植菌体験会」を実施しました。
粟井財団は設立当初より地下水保全を目的とした森林整備活動を行っております。森林は下刈りや間伐など人が手を加えることでより雨が浸透しやすい環境条件となります。
そこで木材を有効活用すること、そして木を身近に感じていただくことを目的として県産材を利用した植菌体験会を企画しました。
当日は富士北麓森林組合のご協力のもと、地元住民の方を中心に約200名の皆様に参加いただきました。
シイタケ菌を打ち込む原木には、ナラの木を準備しました。
雑菌が入らないよう、シイタケ菌を打ち込む直前にドリルで穴をあけます。
参加者は各自穴の開いた原木を持って、シイタケ菌を木づちで打ち込みます。
シイタケの収穫は翌々年からになるそうです。
食するまでにはまだ時間がかかりますが、すべての原木にシイタケが生えることを祈っております。
顕彰事業表彰式・環境講演会を実施しました
去る12月12日、2022年度顕彰事業表彰式並びに環境講演会をホテル鐘山苑にて実施しました。
2022年度顕彰事業の表彰対象4団体の概要は以下のとおりです。
■ 入山川を美しくする会 (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 入山川を綺麗にすることにより環境保全を維持する
【活動内容】 1回/月の入山川清掃 2回/年の入山川の草刈り
■ 新倉山アヤメの会 (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 新倉山におけるアヤメ群生を守り育てる
【活動内容】 新倉山の群生地を会員協力のもと毎年4月から11月まで1回/月の活動を行う
■ すその路郷土研究会 (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 郷土の研究と文化財の保護
【活動内容】 1回/週の古文書学習会 2回/年の祭・講座の開催 等
■ 特定非営利活動法人 富士の緑とフードサポート (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 富士北麓の自然環境保護、福祉活動
【活動内容】 富士北麓周辺の清掃活動、レンゲツツジの保護育成/食品ロス問題と子供の貧困を考えての食品無償提供
壇上にて4団体の代表者様より一言ずつご挨拶をいただきました。
続いて行われた環境講演会では、講師に富士山生物多様性研究室の渡邊通人氏を迎え「かけがえのない富士山の自然
~その特徴と共生について考える~」をタイトルに、以下の項目を沢山の貴重な写真を映し出しながらご説明をしてくださいました。
1.富士山の自然の特徴
(1)世界的にみても特異な場所にできた奇跡の火山
(2)日本一の標高差による垂直分布の多様性
(3)広大な裾野による水平的多様性
(4)原始的自然が比較的広く残っている
(5)里山環境が広く残り、絶滅危惧種が多く生き残っている
2.富士山の自然と共生するには
(1)国立公園・世界文化遺産に住んでいる誇りと責任を
(2)高山帯~山地帯の違いに応じた接し方を
(3)自然の質の違いに応じた接し方を
(4)伝統的で持続可能な里山管理を継承する
富士山は4枚のプレートが重なり合う、世界的にも特異な場所に膨大なマグマが噴出し出来上がった「奇跡の火山」です。その火山の広大な裾野にある「原生的自然」「里山的自然」「公園的自然」を、それぞれに応じた接し方をすることが重要です。
「原生的自然」:長い間人の手が入っていない自然→人が手を加えないことで保護できる
「里山的自然」:元の自然に人が定期的に手を加えて維持してきた自然→草刈りや火入れ・伐採など定期的に人が手を入れることで維持される
「公園的自然」:樹木や芝生など人が植え育ててつくられた自然→人による継続した園芸的管理が必要
富士山は国立公園であり世界文化遺産にも登録されています。その中に住み恩恵を受けていることを住民が認識し誇りに感じ、富士山全体の自然を大切にして後世に引き継いでいく責任がある、と講演を締めくくられました。
閉会式では、財団設立者粟井英朗社長が今後の方向性や展望をお話くださりました。
2012年の財団設立より10年が経過いたしました。これからの10年も、環境面、経済面において地域により一層貢献できるよう尽力してまいります。引き続きのご支援を賜りますようお願い申し上げます。