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活動状況について

クリーンフットパスを実施しました

去る10月29日、クリーンフットパス「中宿だよりハイライトコース」を実施しました。

「中宿だより」を監修した望月勉氏を講師に迎え、下記名所を案内していただきながら道の清掃を行いました。

 

【名所概要】

大国屋:御師の建築と庭園

根の神神社:古吉田から集団移転する2年前の地主神

地蔵寺:北条からの侵攻の守りとして新屋から移設

中宿山神社:富士講から多大な援助 古くからの神社

身禄堂:富士講を隆盛させた6代教祖

梅谷家:御師胎内社の龍神像を公開

上文司家:長屋門や御師を代表する庭園

 

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集合場所とした上吉田コミュニティーセンターにて開会式を行いました。

今回のコースタイトルになっている「中宿だより」は古吉田から現在の地に集団移転し450年たったことを記念して、望月氏が中宿自治会長を務めた昨年、月に1号発行全12号からなる中宿の歴史や名所名跡を監修した冊子です。

昨年も望月氏には古吉田地域や城山周辺を案内いただきましたが、今回は移転先である御師町周辺をご案内いただきました。

 

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まず御師家大国屋(だいこくや)を訪れました。表門から続くタツミチと呼ばれる路の奥に屋敷を構えるといった当時の姿のままを残す格式高い敷地内には、檀家が奉納した石碑が並び、樹齢300年とも言われる黒松は食行身禄の娘が手植えをしたと伝えられています。多くの文化人が訪れ、貴重な資料などを残す当家は現在も宿坊として国内外のお客様を迎えています。

 

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続いて根神社を訪れました。古吉田から上吉田へのまちの移転に先立つこと2年前、1570年にケヤキの切り株に大国主命を祀ったことがはじまりとされています。

根神社を後にし東裏通りを下り、地蔵寺を訪れます。東裏通りには地蔵寺の他、西念寺、吉祥寺が並び、望月氏によりますと、戦国時代、北条からの侵攻に備え、間堀川を自然要塞としてその西側に寺を移転し守りを固めた構えとなっているそうです。

 

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地蔵寺から中宿山神社に移動します。地元郷土史家によると古吉田から移転する前かあったのではないか、といわれ古い歴史を誇ります。「山の神講」など地元崇敬者によって祭られ、毎月17日には神事が行われるそうです。

 

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本町通りと東裏通りを結ぶ通称「学校みち」を身禄堂方面に歩きます。現在法務局吉田出張所が建つ場所にはかつて見方庵(けんぽうあん)という寺院があり、その名をとってつけられた東裏通りを流れる「テンポ川」は現在も暗渠となって流れています。

 

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「学校みち」沿いの身禄堂を訪れます。富士講の中興の祖として知られる食行身禄は、1733年富士山八合目烏帽子岩にて断食入定しました。その31日間におよぶ断食を支え、最後を看取った田辺十郎右衛門が遺品を受け継ぎ、屋敷内にて祀り続けました。昭和45年に現在の地に移築され、今は富士吉田市が施設を管理をしているそうです。

 

身禄堂から歩いて程ない本町通り沿いの梅谷家を訪れます。世界文化遺産の構成資産となっている吉田胎内の神官を務めるなど梅谷家の歴史は古く、現在家屋の1階では、檀家より奉納された龍の木造彫刻を見学することができます。当時富士講の各講社は特定の御師を宿として檀家となり、様々な品を奉納し支えてきました。

 

 

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最後の訪問先である上文司家の当主は現在、北口本宮冨士浅間神社の宮司を務めており、敷地内住宅の主奥(しゅおく)は国指定登録有形文化財に、長屋門や庭園も御師を代表するものとなっています。

 

御師町では当時のままの姿を残す建物は少なくなってきているようですが、残されたものには数百年の歴史があり、当時の様子を伝える大変に貴重な物です。それを守り伝え、維持管理をされている皆さまに感謝を申し上げ、心より敬意を表します。

また今回のフットパスにおいては講師の望月氏をはじめ、ご対応いただいた皆様にこの場をお借りしましてお礼を申し上げます。

 

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回収したゴミは、可燃物20ℓ、不燃物数個、でした。

なお現在ふじさんミュージアムでは、上吉田成立450周年・吉田胎内開基130周年記念企画展「富士山登山口上吉田と吉田胎内の歴史」が2023年1月30日(月)まで開催されています。

この機会にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

富士吉田市農業まつりに出店しました

去る10月16日、富士山アリーナにて開催された「令和4年度富士吉田市農業まつり」(主催:富士吉田市農業まつり実行委員会)に出店をしました。

地場でとれた農林産物の収穫への感謝と、消費者に提供し喜びを共有することが開催の目的とされておりますが「環境ブース」や「健康ブース」「市職員による模擬店」など多様な出店により老若男女問わず楽しめる毎年賑やかなイベントとなっております。

当財団は「環境ブース」にて「富士山の美しい自然を守りたい」をテーマにメッセージを記載していただくことで、自然に思いをはせ環境保全啓発を行うことを目的に企画を行いました。

またメッセージ投稿していただいた参加者には「木のお絵描きパズル」「お菓子」いずれかを景品として差し上げました。

 

【木のお絵描きパズル:火祭り】

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10:00から15:00の間に144名の方にメッセージ投稿をしていただきました。

「富士山大好き」「富士山ありがとう」など、富士山への思いや感謝などを込めたメッセージが多く、改めて富士山は、人々が特別な思いを寄せ神聖視される山であることを実感しました。「ゴミを捨てないで」「噴火しないで」のメッセージも複数みられました。

木のお絵描きパズルも好評で、各自自宅で作業をしていただくようお渡ししました。富士山、火祭り、リス、の3種類ありましたが、記載した順に人気がありました。

 

農業、林業、環境に関する地域の諸団体が一同に会する、貴重な情報交流の場にもなり、大変に有意義な1日となりました。

 

 

クリーンフットパスを実施しました

去る9月17日にクリーンフットパス「流鏑馬祭りコース」を実施しました。

当日は解説講師として山梨県立富士山世界遺産センター学芸員の堀内眞氏を迎え、前日に控えた流鏑馬祭りに関するお話などを交えながら3㎞ほどのコースの清掃活動を行いました。

 

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集合場所の市営西裏駐車場を出発し、月江寺池前を経由して小室浅間神社へと向かいます。

途中、織物業の繁栄と共に栄えた西裏地域の様子や、今は現存しない旅館のお話など、要所要所でお話を伺いました。

 

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現在は駐車場となり跡形もありませんが、旧下吉田町役場は趣向を凝らした擬洋風建築として当時は保存の要望も多かったようです。

写真家の土門拳が下吉田第一小学校に訪問し子供達の写真を撮影したお話も大変に興味深い内容でした。

 

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続いて小室浅間神社の境内にてお話を伺います。小室浅間神社は9月の流鏑馬祭りの他、1月に開催される筒粥祭も有名です。米と粟を釜で煮て、加えた葦(ヨシ)の枝の空洞に入った粥の状態で吉凶を占います。

 

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流鏑馬祭りの奉仕馬が疾走する「本町中村馬場」には祭りのために砂がひかれ、準備が進められていました。

850年続く歴史ある流鏑馬祭りは、駆け抜けた馬の足跡をみて「占人」が吉凶を占うことを主目的としている祭事です。占いの結果は各町内に伝えられ、その結果をもとに祭事が行われるそうです。2017年には山梨県無形民俗文化財に指定されました。

 

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9月19日に行われる「例大祭流鏑馬祭」の前日9月18日には、天神社への参向ならびに天神社での「山王社祭」が行われます。

天神社にはかつて中組神楽という獅子神楽が奉納され、江戸時代に堂宮大工として活躍した萱沼一族が近隣地域に神楽他諸芸能を伝承したという記録が伝わっている、そんなお話も伺いました。

 

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天神社から都留信本店前を通り、集合場所に向かいます。

 

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集合場所に到着し、ゴミを分別。可燃ゴミ30ℓ、不燃ゴミ20ℓとなりました。

参加者からは「講師の話は地元に住んでいても知らなかったことばかりで興味深かった」「西裏地域はレトロなお店が多く良い街並みだと感じた」など感想をいただきました。

 

講師が監修した企画展「富士山をめぐる神事芸能と病」(7月28日~9月26日まで山梨県立富士山世界遺産センターにて展示)のお話を交えながら流鏑馬祭り縁の場所を廻る、充実した内容の回となりました。

 

 

クリーンフットパスを実施しました

去る8月27日(土)、「八木崎公園コース」クリーンフットパスを実施しました。

集合場所とした八木崎公園は河口湖の南岸に位置する、ラベンダーを中心とした花々や湖に面する芝生広場が美しい公園です。

当日も朝から駐車場はほぼ満車状態で、多くの人の憩いの場となっているようです。

 

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今年度財団寄付事業の対象となっている「河口湖町花トピア事業」は、町が実施主体となり町内の公園や花壇に一年草・多年草を植栽する事業で、八木崎公園には「ふじさんアジサイ」の苗木が今年の春に植栽されました。

「ふじさんアジサイ」は山梨県で生産されているピラミッドアジサイのことで、うち山梨県が改良した品種に「あかね」と「ほくと」があります。八木崎公園には「あかね」と「ほくと」が各200本ずつ植えられています。

 

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草に覆われはいましたが、苗木が枯れることなく生育しておりました。

 

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ふじさんアジサイは開花後に花色の変化を楽しむことができます。上左が7月下旬に撮影した写真、上右が今回8月下旬の様子です。白からピンクに色が変化しています。高冷地は植物が鮮やかに色づくと言われていますので、山梨の花き生産や観光資源としてもおおいに期待されます。

 

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ふじさんアジサイを鑑賞した後、湖畔沿いの遊歩道を通り大池公園に向かいます。

釣りを楽しむ方も沢山おりましたが、釣り関係のゴミは比較的少ない印象でした。

一方花火のゴミ、タバコの吸殻はまとまって捨てられていたので、それらを回収しました。

 

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ゴミは今や持ち帰りが原則で、ゴミ箱を設置している公園は少ないと思われます。花火セットを買う時は、そのゴミの処理まで責任を持つことが求められます。

 

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美しいポプラ並木で有名な大池公園では同日「かつやまマルシェ」が開催されていました。

樹木の日陰をうまく利用し、キッチンカーや工芸品など多くの出店者がブースを構えていました。年に数回、この場所でマルシェを開催しているそうです。

 

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大池公園の駐車場に隣接する花壇にも、寄付事業で配布されたベゴニア苗が美しく植栽されていました。

 

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9月4日(日)には八木崎公園をメイン会場としてMt.富士トライアスロン富士河口湖2022が開催されます。

帰路はトライアスロン最後の行程「ラン」のコースを通り、ゴミを回収しました。

 

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約2㎞のクリーンフットパスにて、可燃物60ℓ、不燃物15ℓを回収しました。

参加者からの感想として

「地元に住んでいても来たことがなかった綺麗な公園を知れてよかった」

「ゴミが少ないと感じた。富士山クラブが中心となりアレチウリ除去活動が盛んなので、その効果もあるのでは」

「釣り具のゴミは予想よりも少なかった」

「花壇の雑草が残念だった。また使わないボートが放置されているようだった」

などいただきました。

 

環境美化にご協力いただいた参加者の皆様、ありがとうございました。

富士山自然観察会を実施しました

8月7日、富士山自然観察会を実施しました。

今回は講師として富士山生物多様性研究室の渡辺通人氏を迎え、財団が地権者と進めている整備森林と、梨ヶ原草原の2カ所にて植生と蝶類相の違いについて観察をしました。

 

富士北麓標高1,100mに位置する整備森林は、2019年より地権者と財団とで水源涵養機能向上を目的とし整備をすすめています。雨の浸透力を上げ、樹冠遮断による蒸発と植物による蒸散を抑えるため、除伐・間伐・草刈作業を実施しています。

 

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まずは整備前の森林の様子を観察しました。低木層が旺盛に生育している状況が分かります。

 

 

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続いて、整備後の森林に移動し、草刈を継続して実施している区画と、除伐・間伐後はそのままにしている区画とを比較をしました。

①整備前森林②整備後草刈あり③整備後草刈なし、の3区画にて昨年の6月と8月に講師が実施した植生調査の結果、②整備後草刈あり森林に見られて、①整備前森林に見られない種が62種あったとのことで、除伐・間伐・草刈作業により、草木層が豊かになったことを説明していただきました。また整備後草刈をした区画に出現した種は整備後草刈をしなかった区画に比べ21種あり、草刈によって草木層の多様性がさらに高まる、という考察をいただきました。

 

 

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続いて、梨ヶ原草原に向かいます。普段は北富士演習場として使用されており立入出来ませんが、立入可能日を確認し、富士吉田市外二ヶ村恩賜県有財団保護組合への入山許可、入会住民以外の鑑札料支払いの手続きを経て、日本を代表する草原での観察会を進めました。

日本の温暖で降水量の多い気候の場合、ほとんどの緑地は数十年で森林に遷移します。梨ヶ原草原は毎年4月に行っている火入れにより草原環境が維持され、国内で草原が激減する中にあって、広大な敷地に希少な動植物が生息しています。

草原内1ヵ所目の場所では、環境省絶滅危惧IB種のヒメシロチョウを何頭も観察できました。

 

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草原内2カ所目の場所では、キキョウやオミナエシといった秋の七草やコウリンカ、バアソブなどを観察しました。

 

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観察会終了前に、講師よりまとめのお話を伺いました。

整備森林と梨ヶ原草原の植生を比較すると、前者には124種の植物が、後者には87種の植物が昨年の調査で観察されましたが、双方に共通して確認された種は少なく、それぞれの環境に合った種が生育していること、そして絶滅危惧種は前者には1種、後者には5種と、草原環境の希少性も分かりました。また蝶類では梨ヶ原草原にのみ絶滅危惧種が8種も確認されたそうです。

ほどんとの参加者が梨ヶ原草原に初めて入ったということですが、「火入れは良いイメージをもっていなったが、今回の観察会で見かたが変わった」「人の営みととも維持された素晴らしい環境をこれからも残していきたい」「データをもとにお話をしていただきとても勉強になった」など感想をいただきました。

 

 

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富士山麓は標高差もあり、溶岩流の流れた年代が異なったり雪代による攪乱などにより、多種多様な自然環境に恵まれています。そこに造林作業や火入れ慣習など人為的な行為が加わることで、さらに環境条件が幅広くなり微妙に変わってくることで、豊かな生態系が構築されています。

身近な自然に親しむことで、麓に住むわたしたちの癒しや楽しみになったら素晴らしいとことと思います。

 

 

クリーンフットパスを実施しました

去る7月23日、クリーンフットパス「西桂町除塵機コース」を実施しました。

集合場所とした桂川公園は、手入れされた芝生広場、遊具や東屋、ゲートボール場などが整備された、桂川からの涼しい風が心地よい公園です。東屋での開会後、町内へと向かいます。

 

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まず初めに、昨年度西桂町が用水に設置した除塵機に立ち寄りました。

こちらの用水は流量が多く、除塵機にかかる枝葉やゴミも多い場所で、毎日除去作業をしないと用水から水が溢れてしまうこともあるそうです。この日も僅か半日弱の間にペットボトルや食品トレーがいくつもかかっておりました。

今後この状況を広報し、ゴミ軽減の啓発をしていきたい、と町の担当課よりお話をいただきました。

 

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続いて町内もう1ヵ所に設置された除塵機に向かいます。こちらの用水は上流部に民家が少なく人流も少ないせいか、先ほどの箇所よりも枝葉やゴミは少ない様子でした。

 

 

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除塵機を後にして、西桂保育所に向かいます。車が通れない細い道を歩くのもフットパスの醍醐味です。

 

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途中、今回参加してくださった「西桂子育てを支援する会」が管理をしている農園前を通りました。今シーズンは既に2回、子供たちを対象に収穫体験を催した他、採れた野菜を子育て世帯に分けてもいるそうです。近々ジャガイモ収穫体験会を予定しているとのことでした。

 

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保育所前にて、西桂子育てを支援する会より活動のお話を伺いました。

西桂保育所の5クラスに対して月1回、計月5回、絵本の読み聞かせの他、音楽鑑賞会、収穫体験会、ひとり親世帯への食品配布など多岐にわたる子育て支援活動を行っているそうです。地域の有志が次世代を多角的に応援するという素晴らしい活動です。

 

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西桂中学校の前を通り、西桂小学校に向かいます。西桂町は役場の近くに公的機関が集まった配置となっています。

西桂小学校に隣接をする施設「スプリングギャラリー」を訪ねました。元西桂町地域おこし協力隊員の寺田氏が運営する施設で、現在はクラフトビールの製造を行っています。8月には販売開始予定とのことで、地域の特産品になるよう期待されます。

 

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スプリングギャラリーを後にし、桂川沿いの遊歩道を通り、桂川公園へと戻ります。

 

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拾ったゴミは可燃物30ℓ、不燃物は空き缶数個、という状況でした。

参加者からの感想として

「ゴミが少なく綺麗だった」

「川や用水のゴミが多いと感じる。除塵機の状況を発信し、捨てている人に節度をもってもらいたい」

「上流域の方でもゴミ削減に取り組んでもらいたい」

「綺麗な水を活用しビール製造を行っている取組を知れて良かった。水路の多い町であることが印象に残った」

などいただきました。

 

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今回は地域の諸活動を知ることが出来た、充実したフットパスでした。

ご協力に感謝申し上げます。

 

クリーンフットパスを実施しました

去る6月25日、「桂川梁尻(やなじり)公園コース」のクリーンフットパスを実施しました。

集合場所とした、山中湖村内にある桂川梁尻公園は2021年4月にオープンしたばかりの新しい公園で、東京電力跡地を活用しており、デザインは東京大学景観研究室が担ったそうです。

さらに今年の春には財団からの寄付金を活用し、公園内に土壌式循環型エコトイレが設置されました。太陽光発電設備を屋根に備え、インフラがストップしても使用ができる災害に強いトイレです。また排泄物が植物濾材と土壌菌によって処理され新しい水が作られるという、まさに自立式トイレと言えます。

 

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公園を出発後、山中湖畔に向かいます。

 

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山中湖から桂川が流れ出る、桂川のスタート地点にやってまいりました。

取水口にはネットと金属格子が設置されゴミを集塵しています。定期的に溜まったゴミを除去しているようでした。

 

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湖畔から「梁尻通り」を歩きます。古くから山中湖の平野方面と、忍野・富士吉田を繋ぐ道のようで、避暑地としての別荘も古くから建てられていたそうです。緑あふれる静かな通りでした。

 

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梁尻通りを花の都方面に歩き、暑さ対策のため早めに折り返し集合場所に戻りました。

6月25日にして梅雨が明け、予定外の暑さとなりました。

 

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回収したゴミは可燃物30ℓ、不燃物数個、という結果でした。

ルートを短縮したものの、今までになくゴミが少なく、参加者の皆様も感心しておられました。

「通りに名称が付けられており印象的だった」などの感想もいただきました。

 

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公園のエコトイレもその日、自転車に乗った方などが頻繁に活用されており、寄付金の活用状況も確認できたフットパスとなりました。

参加者の皆様、暑い中のご参加まことにありがとうございました。

 

 

富士山水資源講座【野鳥編】を実施しました

去る6月18日(土)、当財団が地権者と共に進めている整備森林を会場に「富士山の水源の森に生息する野鳥」をテーマとして、東京大学大学院 特別研究員 水村春香氏 を迎え講座を実施いたしました。

今回は屋外での観察会と、屋内での座学を組み合わせ実施しました。

 

まず集合場所とした整備森林内(以下水源林)で野鳥のさえずりを3分間聞きとりました。

当日はエゾハルゼミの声が大きく聞き取りづらかったものの、 アオバト/ノジコ/エナガ/キビタキ/クロツグミ/ヒガラ/ホオジロ/ウグイス/コゲラ の9種を確認できました。

講師がこれまでに調査をした結果、29種を確認することが出来ているそうです。

 

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道を挟んで隣接する整備前の森林内では、よりセミの声が響いているものの、多くの鳥のさえずりを確認できました。

 

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水源林から約800m離れたアカマツ林に場所を移動し、同じく3分間さえずりを聞き取りました。

こちらでは ヒヨドリ/キビタキ/ハシブトガラス/ホトトギス/アオゲラ/ウグイス/イカル/ソウシチョウ の8種を確認できました。

講師の調査ではこれまでに20種を確認したということです。

 

水源林とアカマツ林で行った比較調査した結果、水源林のみで確認できた種は12種、アカマツ林のみで確認できた種は1種で、除伐・間伐・草刈の人の手が加わり地表に草地のある水源林では、森林性の種に加え、疎林や草地を利用する種が増えた、との考察でした。

 

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その後、会場を山梨県富士山科学研究所小ホールに移し、座学による学習会を開催しました。

講義の前に、財団より水源林の概要について説明をしました。水源涵養機能を高めるために①林内を明るくして下草や樹木の根を発達させ、雨の浸透力を上げる②除伐・間伐によって樹冠遮断による蒸発量を減らし、林床まで直接届く雨の量を多くする③除伐・間伐によって植物量を減らし、葉からの蒸散量を少なくする、この3点をポイントとして整備を進めています。

 

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水村氏からの講義内容は大きく分けて3つ ①観察会のふりかえり ②水源林の野鳥の研究 ③鳥がつくる音の効果 で構成されました。

①観察会のふりかえりでは、屋外でヒヤリングをした野鳥の写真とさえずりの音声とを合わせて復習をしました。さえずりは、主に小鳥のオスが繁殖期に発する鳴き方で「ホーホケキョ」などフレーズがあるのが一般的です。春から初夏にかけてがもっとも鳥のさえずりが聴ける時期です。

富士山麓は、多様な標高多様な森林があり、多くの森林性鳥類、特に夏鳥の繁殖にとって重要な場所です。

②水源林の野鳥の研究については、水源林とアカマツ林で行った比較調査の方法について説明いただきました。5月中旬から6月下旬の早朝、それぞれの林の定点で20分間、その周囲で見聞きできた鳥を記録したそうです。

間伐や草刈りを行うことで疎林や草地を利用する鳥の種類が増え、種の多様性が高まったのではないか、というお話でした。

また、③の鳥がつくる音の効果では、水源林とアカマツ林で録音した音声を聞き、どちらがより癒されるかを参加者に聞きました。半々に分かれましたが、水源林の方が癒される、という方がやや多い結果でした。ちなみに、水源林では5種、アカマツ林では2種の野鳥のさえずりが録音されていました。

 

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講義の後、参加者からの質問、感想などをいただきました。

「多様な環境が多様な種の生息に役立つことを学んだ」「伐採によって失われる生息地もあれば、草地を好む種にとっては貴重な生息地になるので、様々な生育環境があるように管理を回していくことが大切と思われる」「毎年の火入れによって草原が保たれている梨ヶ原は、地質的な特徴やその広さだけでなく、立ち入りが制限されていることで安心して鳥が生息できるという面もあるのでは」

 

最後に講師より「都会では観察会などのイベントが多い。地方でももっと学ぶ場があったらよいと思う。森林も草原も人による管理で維持されるものがほとんどなので、その価値を知ることが需要。特に地元の若い人に価値を知って欲しい。」との締めの言葉をいただき、閉会といたしました。

今後も専門家を講師に招き、自然観察や研究内容を知る機会を作ってまいります。ご参加をお待ちしております。

2021年度公募助成事業 成果発表会を実施しました

去る6月11日、3年ぶりの開催となる公募助成事業成果発表会を富士吉田市民会館にて開催いたしました。

小ホールにて行われた開会式では、参加団体より1名のみの出席とし、人数制限を講じ実施しました。

 

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開会式にて、2021年度助成団体より選出された高評価団体の表彰を行いました。

 

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開会式終了後、2021年度助成対象である37団体に活動の成果を披露していただきました。環境保全部門、教育文化向上部門、経済活性化部門の部門ごとに3会場に分かれ情報交流を行いました。

各会場にて、高評価団体であるNPO法人富士山自然保護センター、山梨県立ひばりヶ丘高等学校うどん部、公益社団法人富士五湖青年会議所、NPO法人かえる舎、富士吉田杓子山パノラマトレイルラン大会実行委員、の5団体より活動内容の発表をしていただきました。

 

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高評価団体発表の後は、密を避けながら各自自由に参加者同士の交流を行っていただきました。

 

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約1時間半の情報交換会終了後は、各部門の選考委員より本日の感想など講評をいただき閉会といたしました。

 

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参加者からは「交流によって様々な取組みを知ることが出来きて良い機会となった」「各団体が地域において活躍されていて感動した」「人対人のコミュニケーションの大切さを感じた」などの声をいただきました。久しぶりの開催とあって、大変に有意義な機会となったようでした。

粟井財団はこれからも団体同士の交流の場を設定し、環境保全と地域活性の相乗効果が生まれるよう尽力いたします。

 

富士山美化活動を実施しました

去る5月6日(土)、森林整備保全支援事業の一環として、今年度1回目となる富士山美化活動を実施しました。

今回清掃する場所は、財団と地主とが協同で進めている水源涵養機能向上を目的とした整備森林3haとしました。

 

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清掃活動を開始して間もなく、地主である「瑞穂村日露戦役紀念会」の白須理事より、当該森林の概要についてお話を伺いました。

日露戦争が終結後、現下吉田地区である瑞穂村の戦役者に約50haの森林が下賜されたそうです。2019年に当財団と水資源保全のための森林整備契約を結び、適切な管理を毎年1haずつ進めているところです。

 

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ゴミは道沿いからのポイ捨てが主なものでした。

 

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埋められているゴミもあり、丁寧に掘り出していただきました。

 

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約1時間の清掃活動を終え、可燃ゴミ90ℓ、不燃ゴミ90ℓを回収しました。

「綺麗な場所にはゴミを捨てないと思うので、このような活動は有意義だと思う」

「空き缶が多く、潰れた缶が目立ったが、どういうことか不思議だ」

などの感想をいただきました。

標高の低い通常の清掃活動ではタバコの吸殻が多いのですが今回はほとんどなく、代わって空き缶・空き瓶が目立ちました。車の部品の投棄もありました。

 

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記念品の木工品をお渡しして解散。

ボランティアで参加してくださった皆様に感謝申し上げます。

 

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