富士山水資源講座を実施しました
10月31日(土)、当財団が瑞穂村日露戦役紀念会様と協力して整備をすすめている森林を会場として、今年度第1回目となる「富士山水資源講座」を実施しました。
今回の講座のテーマは「水資源保全のための森林整備手法と森林の多面的機能」とし、会場となった森林の整備手法の現状と改善点を確認すること、そして、森林の有する多面的機能について、会場の森林に何の機能を期待するかを検討することを目的としました。
※森林の有する多面的機能:生物多様性保全/保険・レクリエーション機能/地球環境保全/快適環境形成機能/土砂災害防止機能/文化機能/水源涵養機能/物質生産機能 ・・・林野庁HPより
当日は関係者を含め参加者は15名となりました。まずは、整備後の森林、そして整備前の森林を散策し、林内の様子を観察しました。
森林を散策したのち、財団事務所2階の会議室にて座談会を開催いたしました。
今回アドバイザーとしてお招きした、東京大学大学院農学生命科学研究所付属演習林企画部長の蔵治教授より、ご本人も座長として作成参画した「水源の森林づくりガイドブック」(2019年3月林野庁治山課)より、整備のポイントついて説明をいただきました。
また、森林の有する多面的機能については、「すべての機能を同時に満たすことは不可能」を前提とし、参加者より、森に期待する役割や活用方法について意見をいただきました。
様々な意見や提案を踏まえ、今後の森林整備に活かしてまいります。
ご出席いただきました皆様、忌憚のないご意見ありがとうございました。
公募助成事業における高評価団体との情報交換会を実施しました
10月21日、富士吉田市民会館会議室にて、2019年度公募助成事業における高評価団体との情報交換会を実施いたしました。
今回選ばれた8つの団体は、財団役員、選考委員の代表が、2019年度公募助成対象団体より提出された活動報告書を査定し選出しました。
当日は、8団体より各1名出席していただき、表彰の後、活動の現状など発表していただきました。
以下、選出された8団体と、高評価の理由について記載いたします。
■富士吉田杓子山パノラマトレイルラン大会実行委員会
・地区の各種団体の協力で街全体が一体化しているのが素晴らしい。加えて、コースの整備・保護管理にも留意している。
・この大会を成功させることで、地域の繋がりや地域への思いが結集したまちづくりへと進むことが期待される。人、もの、歴史、自然という地域財産を活かしたまちおこしが高評価。
■LUXE
・目的と企画内容がしっかりしている。特に育児に忙しいお母さん方が参加しやすいように保育士さんの協力を得ている点が高評価。
・子育て世代との連携や、経済活性化への効果が評価できる。
・女性の活躍が地域の活性化を実現する、というゆるぎないコンセプトが高評価。
■FJアスリートクラブ
・スポーツの根源である「走る」ことの基本と楽しさを伝えている点が高評価。走ることの楽しさを子供たちに体験する機会を提供している関係者の努力に敬意を表する。
・将来、社会的に通用する体力と精神力を養うことを念頭に、年間計画にそって、しっかりと練習し、大会参加が実行されている。
■NPO法人富士と湖とかかしの里
・コロナ渦等の緊急事態の時ほど必要になる活動。地域に根ざし、地道な活動を継続されていることが高評価。
・地域の子供たちとの関わりに重点をおいた展開が高評価。
■山梨県立富士北稜高等学校
・学校外団体との連携事業を継続し、地域社会の即戦力になる知識を会得している。臨床心理士によるカウンセリングも特筆。
■明見湖里山フェスティバル実行委員会
・地域に根付いてきており盛況であった様子が伺える。反省点もしっかり把握している。
■望月恭子コンサート実行委員会
・実際に楽器に触れ、プロから学ぶ機会もあり、今後の発展が見込まれる。
・音楽への強い思いが活動の根源であるという訴求力が伝わってくる。
■富士山吉田口手づくり×古本市実行委員会
・100店舗近い出店があり、地元自治会の協力を得て実施している点が高評価。
・現状に留まらず、更なる盛大化を考慮していることが高評価。
コロナ渦により、思うように活動が出来なかったり、取り巻く環境が悪化するなど、厳しい状況下であることと思われますが、再開に向けた活動目標設定や指標に活かしていただけますと幸いです。
「富士山合同フィールドワーク」に参加しました
去る10月11日(日)、富士山南麓を拠点に動植物の生育調査活動等をされている、富士山自然誌研究会様主催で開催された「富士山合同フィールドワーク~富士山南麓斜面の自然~」に参加してまいりました。
今回のフィールドワークは12回を数え、参加者は関係者を含め約70名と、盛大に開催されました。
コロナ対策を十分に、午前の観察会と、午後のレクチャーとの構成で進められました。
午前中の観察会は、地質、植生、ほ乳類、蝶類、昆虫類、鳥類の専門家7名を講師とし、7班に参加者を振り分け、集合場所の富士山スカイライン水ヶ塚駐車場から、富士山南麓斜面を歩きながら説明を伺いました。
地質の観点から、今回のコースは、約2100年前に噴出した小天狗溶岩流と、約1230年前に噴出した水ヶ塚檜丸尾溶岩流の上にあり、遊歩道を歩きながら、溶岩が流れた様子などを観察しました。
昼食をとったのち、集合場所に隣接する芝生広場にて、7名の専門家による調査研究結果の報告を聴講しました。
今その被害が問題となっている、ナラ枯れの広がりについての話も大変に興味深かったです。
当財団の現在の活動範囲は山梨県内ですが、以前は静岡県の富士山麓も対象地域であったことから、久しぶりに再会した方もおり、同じ富士山麓で活動する者として、情報交流ができたことも大変に有意義でした。
今後も、このような活動交流の機会を企画してまいりたいと思います。
「富士山麓環境保全活動」視察研修会を実施しました
去る9月13日(日)、2020年度環境保全普及、育成事業の一環として、静岡県富士宮市の根原区が主催する「ススキウォーク・朝霧草原環境フォーラム」に参加いたしました。
財団の参集による7名を含め、地元住民や関係者、計35名が集まりました。
根原区が所有管理する朝霧草原の茅場面積は152haに及び、毎年春先に行う火入れ事業を始め、茅の生産や景観維持、茅場の多面的機能と生物多様性の保全などを目的に様々な事業を展開しておられます。
当日は生憎の天気ではありましたが、専門家の案内のもと、草原性の植物について解説をしていただきました。
ワレモコウやマルバハギ、マツムシソウなど、秋を代表する可愛らしい山野草を観察することができました。
約2時間のススキウォークを終えた後、茅倉庫にて朝霧草原環境保全フォーラムが開催されました。
「朝霧高原の植生の修復~アズマネザサの抑制と絶滅危惧種キキョウの再導入~」を演題とし、東京大学農学生命科学研究科の根本正之先生が、取り組まれている調査研究について講演を行いました。
草原環境は、草を刈ったり、火入れをしてはじめて維持されますので、全国的に減少してしまった貴重な自然環境です。
草原性の動植物の住処として、そして地下水の水源域としての役割も期待される中、将来にわたって草原が維持されるよう模索している地元関係者の取り組みについて学ぶことができました。
参加者からも「ウォーキングは清々しく、沢山の山野草を知ることが出来た」「地元関係者の熱心な取り組みに関心した」など感想をいただき、有意義な視察研修会となりました。
次回の研修会は、10月11日に「富士山南麓斜面の自然」について専門家より学びます。
ご参加をお待ちしております。
森林整備活動を継続実施しております
関係者のみによる清掃活動を実施しております
「富士山の日」視察研修バスツアーを実施しました!
2月23日、ふ じ さん の日に、富士山の環境や歴史文化について学ぶことを目的としたバスツアーを実施しました。
課題となっておりました新型コロナウイルスの対策として、参加者には、咳エチケット、手洗い、消毒のご協力をお願いし、マスクを配布した上で、財団事務所を出発いたしました。
当日、富士山麓の施設は特別入館日として、入場無料になっている場所が多く、視察研修として訪れるのによい機会となりました。まずは静岡県富士宮市にある富士山本宮浅間神社を訪れました。
富士宮市観光ガイドボランティアの方に、境内をくまなく案内をいただきました。
続いて訪れたのは、静岡県富士山世界遺産センターです。
参加者の中でも、始めて訪れるという方が多く、円を描きながら登っていく建物の構造に驚きながら、最上階の富士山眺望を楽しみました。
昼食をとった後、柿田川公園を訪れました。こちらでも地元のボランティアガイドの方に、湧水の地質的メカニズムや、湧水量、地元の活用方法など、説明をいただきました。
その後は、富士山樹空の森、道の駅すばしりに立ち寄り、財団事務所に無事到着。
当日は天候に恵まれ、終日富士山を眺めることができました。
360度、違う表情を見せる富士山を眺めながら、静岡県側の歴史文化、地下水を守る活動など学ぶことができ、参加者の皆さまからも大変に有意義であった感想を多くいただくことができました。
第10回地域交流カフェを実施しました!
第2回水資源講座を実施しました!
2月19日、今年度第2回目となる富士山水資源講座を実施しました。
前回1月15日の開催に引き続き、講師は山梨県富士山科学研究所よりお招きをしました。
講師の杉田幹夫氏より「衛星画像から見る森林の変化」と題して、山梨県内の森林率の経年変化について、衛星画像から分析したデータを用いで説明をいただきました。
日本は世界の中でも森林率の高い国であり、中でも山梨県は全国5位の森林率を誇ります。
富士山麓の森林の増減率を衛星画像よりデータ解析したところ、特段に大きな変化はみられないようでした。
一方、大規模伐採と開発が進むアマゾンなどの森林喪失によって、地球温暖化の要因である二酸化炭素の増加に繋がっているのでは、とのお話でした。
次回の水資源講座は、環境に配慮した有機農業についてお話を伺います。
第2回木工教室を実施しました!