顕彰事業表彰式・環境講演会を実施しました
2022.12.17
去る12月12日、2022年度顕彰事業表彰式並びに環境講演会をホテル鐘山苑にて実施しました。
2022年度顕彰事業の表彰対象4団体の概要は以下のとおりです。
■ 入山川を美しくする会 (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 入山川を綺麗にすることにより環境保全を維持する
【活動内容】 1回/月の入山川清掃 2回/年の入山川の草刈り
■ 新倉山アヤメの会 (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 新倉山におけるアヤメ群生を守り育てる
【活動内容】 新倉山の群生地を会員協力のもと毎年4月から11月まで1回/月の活動を行う
■ すその路郷土研究会 (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 郷土の研究と文化財の保護
【活動内容】 1回/週の古文書学習会 2回/年の祭・講座の開催 等
■ 特定非営利活動法人 富士の緑とフードサポート (団体所在地 富士吉田市)
【活動目的】 富士北麓の自然環境保護、福祉活動
【活動内容】 富士北麓周辺の清掃活動、レンゲツツジの保護育成/食品ロス問題と子供の貧困を考えての食品無償提供
壇上にて4団体の代表者様より一言ずつご挨拶をいただきました。
続いて行われた環境講演会では、講師に富士山生物多様性研究室の渡邊通人氏を迎え「かけがえのない富士山の自然
~その特徴と共生について考える~」をタイトルに、以下の項目を沢山の貴重な写真を映し出しながらご説明をしてくださいました。
1.富士山の自然の特徴
(1)世界的にみても特異な場所にできた奇跡の火山
(2)日本一の標高差による垂直分布の多様性
(3)広大な裾野による水平的多様性
(4)原始的自然が比較的広く残っている
(5)里山環境が広く残り、絶滅危惧種が多く生き残っている
2.富士山の自然と共生するには
(1)国立公園・世界文化遺産に住んでいる誇りと責任を
(2)高山帯~山地帯の違いに応じた接し方を
(3)自然の質の違いに応じた接し方を
(4)伝統的で持続可能な里山管理を継承する
富士山は4枚のプレートが重なり合う、世界的にも特異な場所に膨大なマグマが噴出し出来上がった「奇跡の火山」です。その火山の広大な裾野にある「原生的自然」「里山的自然」「公園的自然」を、それぞれに応じた接し方をすることが重要です。
「原生的自然」:長い間人の手が入っていない自然→人が手を加えないことで保護できる
「里山的自然」:元の自然に人が定期的に手を加えて維持してきた自然→草刈りや火入れ・伐採など定期的に人が手を入れることで維持される
「公園的自然」:樹木や芝生など人が植え育ててつくられた自然→人による継続した園芸的管理が必要
富士山は国立公園であり世界文化遺産にも登録されています。その中に住み恩恵を受けていることを住民が認識し誇りに感じ、富士山全体の自然を大切にして後世に引き継いでいく責任がある、と講演を締めくくられました。
閉会式では、財団設立者粟井英朗社長が今後の方向性や展望をお話くださりました。
2012年の財団設立より10年が経過いたしました。これからの10年も、環境面、経済面において地域により一層貢献できるよう尽力してまいります。引き続きのご支援を賜りますようお願い申し上げます。