富士山自然観察会を実施しました!
2024.8.14
粟井財団では、富士山の自然について学び、身近に親しむことでその環境を保全する心を育むこと目的とした「富士山自然観察会」を定期的に企画しています。
8月10日には講師に内山高先生を迎え、かねてより関心の高いテーマであった火山や溶岩に関する観察会を実施いたしました。
当日は12名の一般参加者、財団関係者、講師を合わせた18名にて、富士山の側火山の「雁ノ穴」「小臼」、梨ヶ原内の溶岩流を観察いたしました。
視察先1ヵ所目の「雁ノ穴」は、平成16年に改定された富士山ハザードマップに新たに加わった火口です。
北富士演習場内にあるため普段は足を踏み入れることは出来ませんが、立入日を確認し、県に許可申請し、恩賜林組合に入山鑑札を必要分発行していただいた上で当日を迎えました。
まずは 5世紀~7世紀頃の噴火によって出来た「溶岩トンネル」とトンネルの一部が崩れた「崩れ穴」を観察。冷気が漂う神秘的な場所でした。
続いて溶岩トンネルの北側にある、小高く盛り上がった場所へ。かつて雁ノ穴火口と思われていたこの場所は溶岩塚(ホルニト)で、実際は100mほどの南の一直線の溝が火口であることが2000年以降に行われた現地調査にて確認できたそうです。
溶岩塚の中央には大きな穴が開いているので、立ち入る場合は足元に注意が必要です。
雁ノ穴を後にして、2カ所目の「小臼」に向かいます。小臼は、忍野村立さかな公園の駐車場に隣接する約1万年前に噴火した古い側火山です。
今は木々に覆われてうっそうとしている火口は丸く、周囲に遊歩道があるので一周を徒歩で散策することが出来ます。また、小臼の周辺には、大臼、臼久保、膳棚の3つの側火山があり、いずれも約1万年前に噴火活動をしていたそうです。
3か所目の視察先は、梨ヶ原内の通称「見晴らし台」に向かい、そこから観察できる溶岩流について解説をしていただきました。
山中湖手前の小高く盛り上がった鷹丸尾溶岩が市街地まで延び、その上に広がるハリモミ純林までを観察することが出来ました。
今回の側火山や溶岩流の観察会を通じて、富士山の様々な様式による噴火の歴史を学ぶと同時に、迫力ある景観を目の当たりに出来た半日でした。