富士山自然観察会を実施しました!
2024.8.1
去る7月28日、講師に富士山生物多様性研究室の渡邊通人氏を迎え、植物や昆虫に焦点を当てての富士山自然観察会を実施しました!
まずは富士山麓標高1,100mに位置する水資源保全のための整備森林にて、整備前と整備後の森林をそれぞれ歩き、植生の違いについて講師より解説をしていただきました。
また、植生調査結果によると、整備前森林には77種の植物が、整備後森林は106種の植物が観察され、その内整備をしたことによって68種を観察することができたとのことで、間伐や草刈りの整備によって草木層がいかに豊富になったかということを教えていただきました。
整備森林の観察後、梨ヶ原草原に向かいます。草原内では環境の違う2カ所を案内していただきました。
毎年4月に行われている「火入れ」によって草原環境が維持されている梨ヶ原草原。普段は演習場として使われているので、立入日を確認し、入山申請を行った上で観察会を企画しました。
全国的にも面積が激減している草原環境ですので、今回も沢山の貴重な草原性の植物や蝶を観察することが出来ました。
また植生調査によりますと、整備森林には187種の植物が、梨ヶ原草原には146種の植物が確認でき、その内、整備森林のみに確認できた種が116種、梨ヶ原のみに確認できた種が75種ということでした。
このように同じ富士山麓であっても手入れの仕方やその場所の環境条件によって大きく植生が異なり、植生が異なることによって昆虫や鳥などの動物の種類も変わることが分かりました。
身近にある自然を観察することで、自然に親しみ大切に思う方が増えることを期待し、今後も自然観察会を開催して参ります。