富士山水資源講座を実施しました
2021.9.22
台風の影響により1日延期となった9月19日(日)、今年度第2回目となる富士山水資源講座を、財団の地権者が協同ですすめている整備森林を会場として開催しました。
今回のテーマは「富士山の水源の森の地質・地下水流動について学ぶ」とし、講師として山梨県富士山科学研究所 専門員 内山高 氏をお迎えしお話を伺いました。
富士山北麓における最近2000年間の火山噴出物は、剣丸尾溶岩を境として東側・西側で大きく様相が異なるということです。
富士吉田市を含む東側は主に雪代などの堆積物によって覆われ、富士河口湖町を含む西側は主に青木ヶ原を代表とする溶岩流によって覆われています。この違いによって、地下水の採取方法も異なるというお話でした。
また富士山は新富士火山、古富士火山、小御岳火山、先小御岳火山の4つの火山が重なり構成されていますが、それぞれに地質・地下水流動の仕方に違いがあり、各々の地層に含まる地下水の涵養された標高は異なるこということです。
標高1,100mに位置する整備森林に降った雨は、富士吉田市内の比較的浅い井戸の水源になってることが想定されるということことを教えていただきました。
場所を移動し、中ノ茶屋の裏手の沢を案内していただきました。
この沢は中ノ茶屋溶岩(AD6C~7C)上にあり、溶岩の岩肌を観察することが出来ました。
講座を終え参加者からは「研修を受けたことを業務に活かしモチベーションを上げていきたい」「富士山の恵みである地下水について地域の多くの人に理解をしてもらいたい」などの感想が寄せられました。
持続可能、つまりは循環型社会を目指すため、使った地下水以上の量の雨を地下に涵養することを目的に進めている森林整備活動です。その活動内容を紹介しながら、我々住民が利用している地下水の成り立ちを知り、大切な資源について学んでいただけるよう、これからも取り組んでまいります。