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地域創生人材養成講座を実施しました!

2019.4.9

去る3月30日(土)13:30より、富士吉田市民会館3階研修室にて「地域創生人材養成講座」を実施しました!

今回は地元にて環境保全活動や地元産物を活用した事業を行っている方3名にパネラーとして登壇していただき、「自然と共に生きる魅力あるまちづくり」をテーマにパネルディスカッションを実施しました。

 

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パネラーは下記写真より

左:豊島雅也氏:レストラン「TOYOSHIMA」オーナー。地元素材にこだわり、ジビエ料理を中心に提供している。

中:水村春香氏:東京大学大学院 森林動物学研究室所属。東京から富士北麓のフィールドに通いつめ鳥類の調査研究を実施している。

右:舟津宏昭氏:富士山アウトドアミュージアム代表。野生動物の交通事故対策プロジェクトや子供を対象にした環境教育活動等、幅広く活動している。

 

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パネルディスカッションの前に、パネラー3名の方よりそれぞれ、活動について紹介をしていただきました。

【発表概要】

豊島氏

産まれは静岡だが、河口湖町のリゾートホテルのシェフとして勤務したことをきっかけとして、2017年夏に河口湖町内にてレストランをオープンさせた。狩猟免許を取得し、富士山麓のシカ肉を店で提供している。どうやったら臭みのない肉が提供できるか、試行錯誤とりくんでいる。沢山の人に、富士山麓のジビエの魅力を発信し、ここでしか食べれない料理を提供していきたい。富士山麓の食文化のレベルアップに貢献したい。

 

水村氏

小さい頃から鳥に興味を持ち、大学では鳥の調査研究を行っている。ご縁があり、富士山麓での調査を行うようになった。富士山麓は、軽井沢、奥日光と共に、日本3大探鳥地と言われている。また、日本初めての探鳥会は富士山麓の須走で行われた。日本で観察することの出来る鳥の種類の約3分の1、110~190種の鳥が富士山麓で観察できると言われている。世界的に農地や草原が減ってきている中で、富士山麓は貴重な草原が残っており、草原性の鳥が多いことが特徴。富士山は鳥のメッカだと思うが、地元からの発信が少ないように感じる。ぜひ、まず見ること、観察することから始めて欲しい。

 

舟津氏

北海道生まれ。都留文科大学に入学し、在学中に富士山に魅了されそのまま住み着いた。富士山はどこから見ても美しく、豊かな自然が広がっている。「富士山はまるっと博物館だよね」と、博物館の機能を意識しながら、子供たちにその素晴らしさを伝えていくべく活動している。また、野生動物が車にはねられる「ロードキル」をなくそうと、5年前から調査を開始した。多くの方に通報協力をいただき、これまでに710個体を調査した。被害が広がらないように、レンタカー会社との連携や、シカ忌避音発信機械の開発などに関わっている。とにかく富士山が大好きで、次の世代にも美しいままの富士山を残していきたいと思っている。

 

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3名の発表に続き、パネルディスカッションを行いました。

パネラーからは以下のような意見をいただきました。

「富士山の最大の魅力は、日本中に存在する自然が、富士山麓この1か所で、ほぼ網羅されるという生態系の豊かさ」

「世界中の研究者が、「ホットスポット」と呼ばれる日本列島の生態系を評価しているが、その中でも富士山麓の生態系は豊かで、世界中の人から羨ましがられている」

「よそから見ると自然豊かで羨ましいと思うが、地元の子供達は当たり前に思っているのでは?幼少期の原体験は大事なので、子供のころから富士山の自然に触れる体験をさせることが大切。地域に若い人が戻ってくるきっかけになるのでは」

「開発はどんどん進んで行くが、自然を見る目を養っておけば、行き過ぎた開発はなくなるのでは」

「シカもクマも虫も「環境と観光の両立」など考えていない。それを考えられるのは人間だけ。人間が考えていかなければいけない。生活をする上で大切なのは「節度」だと思う。人間が節度をもたなければ、行き過ぎた開発は止まらない」

「車を運転するとき、その道は人間だけが使っているのではなく、動物も鳥も使っているということを認識して欲しい」

 

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また、参加者からは

「ロードキルの実態を、市民が情報として得られるようにして欲しい」

「地元地域の沢山の人に、このような研修会を通じて富士山の魅力をしってもらうよう、周知に力を入れていただきたい」

「個々の活動が繋がり、点から面になるよう、広がりに期待をする」

など感想や意見をいただき、今回の養成講座を閉会といたしました。

 

粟井財団といたしましても、地元地域の方が「富士山の魅力」を心から実感し、自信をもって誇りに思えるような企画を、これからも様々な方と連携をして実施していきたいと思っております。

 

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